Komoda Law Office News

2023.10.26

元日産CEOカルロス・ゴーン逃亡事件の影響を受けた法改正①

2023年(令和5年)5月17日、保釈等により釈放された被告人の公判廷への出頭確保に関する各制度、犯罪被害者等の個人特定事項の秘匿措置の整備等を内容とした、刑事訴訟法等の一部を改正する法律が公布されました。
改正法は、段階的に施行される予定で、その内容は多岐にわたります。
刑事実務上影響があるポイントについて、2回に分けて、改正法の施行順に解説します。 今回は、2023年(令和5年)施行分まで解説します。

1.公布日(2023年(令和5年)5月17日)施行

◯刑の時効の停止
(刑法33条2項新設)
 拘禁刑、罰金、拘留及び科料の時効は、刑の言渡しを受けた者が国外にいる場合には、その国外にいる期間は、進行しない。

※ほとんど適用される場面がないので、一般には知られていないのですが、刑の言渡しが確定しても、一定期間執行されない場合は、時効が完成します(刑法32条)。
ただし、判決宣告時に執行猶予が付された場合など、法令によって執行を猶予し、又は執行を停止した期間は、時効が停止するとされています(刑法33条1項)。
これに加えて、今回の改正法によって、刑の言渡しを受けた者が国外にいる期間も、時効が停止することになりました。
※なお、「拘禁刑」については、その施行日(2022年(令和4年)6月17日の公布日から3年以内)までは、従前の「懲役」又は「禁錮」と読み替えることになります。

2.公布から20日経過後(2023年(令和5年)6月6日)施行

1️⃣逃走罪の主体の拡張及び法定刑の引上げ
(刑法97条改正)
法令により拘禁された者が逃走したときは3年以下の懲役に処する。

※改正前の主体は「裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者」とされていましたので、例えば、現行犯逮捕された者が、裁判官発付の勾留状執行前に刑事施設から逃走しても、逃走罪に当たりませんでした。 今回の改正法により、法令に基づいて拘禁された者は全て、逃走すれば逃走罪が成立することになりました。

※また、改正前の法定刑は「1年以下の懲役」でしたので、今回の改正法により、罪が重くなりました。

夕陽と飛行機

2️⃣加重逃走罪の主体の拡張
(刑法98条改正)
前条に規定する者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は2人以上通謀して、逃走したときは、3月以上5年以下の懲役に処する。

※改正前の主体は「前条に規定する者又は勾引状の執行を受けた者」とされていました。

今回の改正法により、刑法98条にいう「前条」である刑法97条の主体が拡張され、改正前の刑法98条「勾引状の執行を受けた者」は改正後の同条「前条に規定する者」に含まれることになったので、「勾引状の執行を受けた者」との文言は削除されたものです。
実際は、刑法97条逃走罪の主体が拡張された分、刑法98条加重逃走罪の主体も拡張されることになりました。

3️⃣拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告後における裁量保釈の要件の明確化
(刑事訴訟法344条2項新設)
拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告があった後は、第90条の規定による保釈を許すには、同条に規定する不利益その他の不利益の程度が著しく高い場合でなければならない。 ただし、保釈された場合に被告人が逃亡するおそれの程度が高くないと認めるに足りる相当な理由があるときは、この限りでない。

※裁判所の裁量による保釈を規定した刑事訴訟法90条では、裁判所が保釈を許すには、保釈によって被告人が逃亡・罪証隠滅するおそれと身柄拘束によって被告人が受ける不利益の程度等を利益衡量することとされています。
従来は、この規定に関し、控訴審における特別規定はありませんでした。

しかし、今回の改正法により、第1審において実刑判決が宣告された場合には、その後に裁判所の裁量で保釈を許可するためには、身柄拘束によって被告人が受ける不利益の程度が著しく高い場合でなければならないと新たに規定されました。
その意味で、保釈条件が厳しくなったようにみえます。

もっとも、刑事実務上は、第1審において保釈が許可されていた場合は、控訴審においても保釈が許可される可能性が高いです。
ただし、保釈保証金は第1審のときより増額されることが多いです。

鉄線

3.公布から6か月(2023年(令和5年)11月17日)以内に施行

1️⃣公判期日への出頭等を確保するための罰則の新設
㋐勾留の執行停止の期間満了後の被告人の不出頭罪
(刑事訴訟法95条の2新設)
期間を指定されて勾留の執行停止をされた被告人が、正当な理由がなく、当該期間の終期として指定された日時に、出頭すべき場所として指定された場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

※これまでは、被告人が勾留の執行停止期間満了後に決められた場所に出頭しなくても、罪に問われることはありませんでした。
なお、刑事実務上は、逃亡した事実は、これまで、勾留・起訴されている事件の量刑判断において、悪い情状として評価されていました。
しかし、今回の改正法施行後は、不出頭罪が成立することになります。

㋑保釈又は勾留執行停止の許可を受けた被告人の制限住居離脱罪
(刑事訴訟法95条の3新設)
 ①裁判所の許可を受けないで指定された期間を超えて制限された住居を離れてはならない旨の条件を付されて保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、当該条件に係る住居を離れ、当該許可を受けないで、正当な理由がなく、当該期間を超えて当該住居に帰着しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。<br />  ②前項の被告人が、裁判所の許可を受けて同項の住居を離れ、正当な理由がなく、当該住居を離れることができる期間として指定された期間を超えて当該住居に帰着しないときも、同項と同様とする。

※刑事実務上、保釈や勾留執行停止が許可される際、別途裁判所の許可がなければ3日以上制限住居を離れてはいけないなどという条件が付されることが多いです。
もっとも、これまでは、許可なく制限住居を離脱しても、例えば、裁判所から1週間の旅行許可をもらって、旅行に行って、1週間以上制限住居に戻らなくても、罪に問われることはありませんでした。
しかし、今回の改正法施行後は、制限住居離脱罪が成立することになります。

㋒保釈又は勾留執行停止の取消し後における出頭命令違反の罪
(刑事訴訟法98条の3新設)
保釈又は勾留の執行停止を取り消され、検察官からの出頭を命じられた被告人が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。保釈又は勾留の執行停止を取り消され、検察官からの出頭を命じられた被告人が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

※これまでは、保釈又は勾留執行停止を取り消された被告人が、検察官から出頭を要請されて出頭しなくても、罪に問われることはありませんでした。
なお、刑事実務上は、逃亡した事実は、これまで、勾留・起訴されている事件の量刑判断において、悪い情状として評価されていました。
しかし、今回の改正法施行後は、出頭命令違反罪が成立することになります。

㋓保釈・勾留執行停止をされた被告人の公判期日への不出頭罪
(刑事訴訟法278条の2新設)
保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、召喚を受け正当な理由がなく公判期日に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

※これまでは、被告人が保釈又は勾留執行停止によって釈放された後、召喚を受けたにもかかわらず公判期日に出頭しなくても、罪に問われることはありませんでした。
なお、刑事実務上は、逃亡した事実は、これまで、勾留・起訴されている事件の量刑判断において、悪い情状として評価されていました。
しかし、今回の改正法施行後は、不出頭罪が成立することになります。

㋔刑の執行のための呼出しを受けた者の不出頭罪
(刑事訴訟法484条の2新設)
前条前段の規定による呼出しを受けた者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、2年以下の拘禁刑に処する。

※身柄拘束されずに拘留以上の刑の言渡しを受けた者は、検察官から呼出しを受けて、出頭し、刑の執行を受けることになります(刑事訴訟法484条)。
もっとも、これまでは、検察官からの呼出しの日時場所に出頭しなくても、罪に問われることはありませんでした。
しかし、今回の改正法施行後は、不出頭罪が成立することになります。

2️⃣保釈又は勾留執行停止の許可を受けた被告人に対する裁判所による報告命令制度の創設
(刑事訴訟法95条の4新設)
①裁判所は、被告人の逃亡を防止し、又は公判期日への出頭を確保するため必要があると認めるときは、保釈を許す決定又は第95条第1項前段の決定を受けた被告人に対し、その住居、労働又は通学の状況、身分関係その他のその変更が被告人が逃亡すると疑うに足りる相当な理由の有無の判断に影響を及ぼす生活上又は身分上の事項として裁判所の定めるものについて、次に掲げるところに従って報告をすることを命ずることができる。 一裁判所の指定する時期に、当該時期における当該事項について報告をすること。 二当該事項に変更が生じたときは、速やかに、その変更の内容について報告をすること。 ②裁判所は、前項の場合において、必要と認めるときは、同項の被告人に対し、同項の規定による報告を裁判所の指定する日時及び場所に出頭してすることを命ずることができる。 ③裁判所は、第1項の規定による報告があったときはその旨及びその報告の内容を、同項(第1号に係る部分に限る。)の規定による報告がなかったとき又は同項(第2号に係る部分に限る。)の規定による報告がなかったことを知ったときはその旨及びその状況を、それぞれ速やかに検察官に通知しなければならない。

※これまでは、被告人の保釈や勾留執行停止による釈放に当たって、裁判所が被告人に報告等を命じる制度はありませんでした。
しかし、今回の改正法施行後は、裁判所が報告等の命令を出すことができるようになりました。
また、裁判所は、報告等の命令に対し、被告人から報告があったこと又はなかったこと等を検察官に報告することとされました。

3️⃣保釈又は勾留執行停止の取消し及び保釈保証金の没取に関する規定の整備
(刑事訴訟法96条改正)
①裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。 五被告人が、正当な理由がなく前条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。(新設) ②前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取することができる。(改正) ③保釈を取り消された者が、第98条の2の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しないとき、又は逃亡したときも、前項と同様とする。(新設) ④拘禁刑以上の刑に処する判決(拘禁刑の全部の執行猶予の言渡しをしないものに限る。 以下同じ。)の宣告を受けた後、保釈又は勾留の執行停止をされている被告人が逃亡したときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権で、決定で、保釈又は勾留の執行停止を取り消さなければならない。 (新設) ⑤前項の規定により保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。(新設) ⑥保釈を取り消された者が、第98条の2の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しない場合又は逃亡した場合において、その者が拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者であるときは、裁判所は、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。 ただし、第4項の規定により保釈を取り消された者が逃亡したときは、この限りでない。(新設) ⑦保釈された者が、拘禁刑以上の刑に処する判決又は拘留に処する判決の宣告を受けた後、第343条の2(第404条(第414条において準用する場合を含む。 第98条の17第1項第2号及び第4号において同じ。)において準用する場合を含む。)の規定による命令を受け正当な理由がなく出頭しないとき又は逃亡したとき(保釈されている場合及び保釈を取り消された後、逃亡した場合を除く。)は検察官の請求により又は職権で、刑の執行のため呼出しを受け正当な理由がなく出頭しないときは検察官の請求により、決定で、保証金の全部又は一部を没取しなければならない。(改正) ※これまでも、保釈又は勾留執行停止の取消し及び保釈保証金の没取の規定はありましたが、今回の改正法施行後は、以下のとおり、その適用範囲が広がります。

・保釈又は勾留執行停止の許可を受けた被告人が、裁判所による報告命令に対して報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、裁判所は、保釈又は勾留執行停止を取り消すことができ、保釈保証金も没取することができる(1項5号)(2項)。
・保釈を取り消された者が、検察官の出頭命令を受けても正当な理由がなく出頭しないとき又は逃亡したとき、裁判所は、保釈保証金を没取することができる(3項)。
・拘禁刑以上の実刑判決(一部執行猶予判決を含む。 )の宣告を受けた後、保釈又は勾留執行停止の許可を受けた被告人が逃亡したときは、裁判所は、保釈又は勾留執行停止を取り消さなければならず、保釈保証金も没取しなければならない(4項)(5項)。
・保釈を取り消された者が、検察官の出頭命令を受けても正当な理由がなく出頭しないとき又は逃亡したとき、その者が拘禁刑以上の実刑判決(一部執行猶予判決を含む。)の宣告を受けた者であるときは、裁判所は、保釈保証金を没取しなければならない(6項)。
・保釈された者が、実刑判決(一部執行猶予判決を含む。)の宣告を受けた後、検察官による出頭命令を受け正当な理由がなく出頭しないとき又は逃亡したときは、裁判所は、保釈保証金を没取しなければならない(7項)。

4️⃣控訴審における判決宣告期日への被告人の出頭の義務付け等
㋐控訴審における判決宣告期日への被告人の出頭命令
(刑事訴訟法390条の2新設)
前条の規定にかかわらず、控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であって、保釈又は勾留の執行停止をされているものについては、判決を宣告する公判期日への出頭を命じなければならない。 ただし、重い疾病又は傷害その他やむを得ない事由により被告人が当該公判期日に出頭することが困難であると認めるときは、この限りでない。

※被告人には控訴審の公判期日への出頭義務はありません(刑事訴訟法390条)。
このため、これまでは、保釈又は勾留の執行停止の許可を得た被告人が、所在不明になってしまい、判決謄本の送達ができない場合や、判決謄本は親族が受け取るなどして送達は終えたものの、刑の執行が困難になってしまう場合等がありました。
しかし、今回の改正法施行により、控訴裁判所は、保釈又は勾留の執行停止の許可を得た被告人に対し、原則として出頭命令を出すものとされました。

㋑控訴審における判決宣告期日に被告人が出頭しない場合の判決言渡し
(刑事訴訟法402条の2新設)

①控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であって、保釈又は勾留の執行停止をされているものが判決を宣告する期日に出頭しないときは、次に掲げる判決以外の判決を宣告することができない。 ただし、第390条の2ただし書に規定する場合であって、刑の執行のためその者を収容するのに困難を生ずるおそれがないと認めるときは、この限りでない。  一 無罪、免訴、刑の免除、公訴棄却又は管轄違いの言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決 二 事件を原裁判所に差し戻し、又は管轄裁判所に移送する判決 三 無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の言渡しをする判決 ②拘禁刑以上の罪に当たる罪で起訴されている被告人であって、保釈又は勾留の執行停止を取り消されたものが勾留されていないときも、前項本文と同様とする。 ただし、被告人が逃亡していることにより勾留することが困難であると見込まれる場合において、次に掲げる判決について、速やかに宣告する必要があると認めるときは、この限りでない。  一 公職選挙法(昭和25年法律第100号)第253条の2第1項に規定する刑事事件について、有罪の言渡し(刑の免除の言渡しを除く。 以下この号において同じ。)をする判決又は有罪の言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決 二 組織的犯罪処罰法第13条第3項の規定による犯罪被害財産の没収若しくは組織的犯罪処罰法第16条第2項の規定による犯罪被害財産の価額の追徴の言渡しをする判決又はこれらの言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決

今回の改正法施行により、控訴裁判所は、保釈又は勾留の執行停止の許可を得た被告人が判決宣告期日に出頭しない場合、原則として判決宣告ができなくなりました。

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2023.10.03

スタートアップ企業におけるエクイティファイナンス とは?

Question.
当社は立ち上げたばかりのベンチャー企業です。最終的にはIPOによるエグジットを目指していますが、ひとまず1000万ほど資金調達が必要なので、エンジェル投資家の方から投資を受けようと思っています。
バリュエーションはどのように設定するのでしょうか。

Answer.
バリュエーションとは、企業価値のことをいいます。 スタートアップ企業が投資を受ける際のバリュエーションの計算方法に決まりはなく、将来のエグジット価値を見据えて最終的には投資家と企業側の相対交渉によって決まります。
将来のエグジット価値については、既に上場している同種企業の株価を参考にすることもありますし、資産価値や利益状況を考慮して計算することもあります。

なお、スタートアップ企業は、エグジットまで複数回資金調達(増資)を繰り返すことが多く、資金調達を受けることにより創業株主の持株比率は低下するため、1回の資金調達ラウンドで発行する株式の比率は10~15%以内で検討することが一般的です。
そのため、資金調達額の10倍以上程度はバリュエーションとして確保しておいた方がよいでしょう。

雲が矢印の写真

バリュエーションとは

バリュエーションとは、企業価値のことをいいます。

企業価値は、株価×発行済株式総数にて算定するため、時価総額ともいいます。
上場会社では、株価に時価がありますが、未上場会社では、取引相場がないため、どのような価格設定とするかが悩ましいところです。
なお、プレバリュエーションとは、資金調達前のバリュエーションをいい、ポストバリュエーションとは、資金調達後のバリュエーションをいいます。

・プレバリュエーション:資金調達前の発行済株式総数×1株単価
・ポストバリュエーション:資金調達後の発行済株式総数×1株単価
(=プレバリュエーション+資金調達額)

※上記の発行済株式総数については、顕在株式のみとするのか、潜在株式(=ストックオプション等、将来株式に転換できる権利)まで含めるかに決まりはないですが、投資家は潜在株式を含めて考える場合が多いため、認識のすり合わせをしておく必要があります。

スタートアップ企業のバリュエーション

一般論としては、バリュエーションの算定方法としては、①対象企業が将来生み出す収益を指標として算出する方法(インカムアプローチ)、②対象企業が現在保有する資産と負債を基に算出する方法(コストアプローチ)、③上場している類似業界・企業を基準に算定する方法(マーケット・アプローチ)等があり、これらを組み合わせたりして算定します。

しかし、スタートアップ企業は、そもそもまだ売上がなかったり、サービス内容が固まっていない等、大抵は赤字続きで将来の収益を算定することが難しくインカムアプローチが難しい場合も往々にしてあります。

また、大した資産をもっていないことが通常ですし、類似の業態がない場合もあります。
そのため、企業価値をつけようと思ってもその評価が難しく、上記算定になじまないことも多いです。
最終的には、スタートアップ企業側と投資家側の相対交渉によって決まりますが、投資ラウンドに有名な投資家が加わればバリュエーションが跳ね上がることもあります。

なお、投資家と企業側とでバリュエーションに折り合いがつかない場合は、バリュエーションの算定を先延ばしにできるJ-kissによる資金調達も有効です。

 

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2023.09.22

ステマを行う上での注意点は?ステルスマーケティング規制について弁護士が解説①

Question.
私はフォロワー数約1万人のインフルエンサーです。
この度、とある企業様より、自社の化粧水のサンプルを無料で送るので、インスタ(Instagram)で紹介してもらえないか?との依頼がありました。
私としては、無料でサンプルがもらえるので引き受けようと思いますが、何か注意点はありますか?

  化粧品を持つ女性  

Answer.
上記依頼に基づくInstagram上の宣伝は、ステルスマーケティングに該当します。
ステルスマーケティングは2023年10月1日より、景品表示法により規制されますので、商品の紹介の際は、【#PR】など、広告宣伝であることを明示するような投稿にすべきでしょう。

1.ステマ規制/ステルスマーケティング規制とは?

近頃よく聞く「ステマ規制」とは、一般消費者に広告・宣伝と気づかれないように行われる広告・宣伝行為(ステルスマーケティング)に関する規制を指します。

これまで、広告の表示内容等を規制する法律である、いわゆる景品表示法(以下「景表法」といいます。)では、優良誤認表示(実際より著しく優良なサービスであると偽って宣伝する表記)や有利誤認表示(実際より著しく有利な取引条件であると偽って宣伝する表記)が規制の対象とされる一方、ステマに関しては、特段規制されておりませんでした。
しかし、今般改正により、2023年10月1日より、景表法5条3号に基づきステマが規制されるようになりました。

景表法5条3号は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する恐れがあるとして内国総理大臣が指定する表示を規制対象とする条文ですが、今回、これにステマが該当すると指定された形になります。
なお、内閣総理大臣の告示では、ステマのことを、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年内閣府告示第19号)と定義し、当該表示とは、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示(以下、「事業者の表示」という。)であるにもかかわらず、事業者の表示であることを明らかにしないことなどにより、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難となる表示である、という解釈を示しています。
また、令和5年3月28日付消費者庁長官決定で「一般消費者が事業者での表示であることを判別することが困難である表示の運用基準」が別途公表されています。(以下「運用基準」といいます。)

消費者庁HP(別紙2 「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準):https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/assets/representation_cms216_230328_03.pdf

景表法5条
1号:優良誤認表示
2号:有利誤認表示
3号:指定告示(一般消費者による自主的
→令和5年内閣府告示第19号=ステマ規制

2.ステマ規制の趣旨

それでは、なぜステマを規制する必要があるのでしょうか?
運用基準によれば、その理由は以下の通りです。
「一般消費者は、事業者の表示であると認識すれば、表示内容にある程度の誇張・誇大が含まれることはあり得ると考え、商品選択の上でそのことを考慮に入れる一方、実際には事業者の表示であるにもかかわらず、第三者の表示であると誤認する場合、その表示内容にある程度の誇張・誇大が含まれることはあり得ると考えないことになり、この点において、一般消費者の商品選択における自主的かつ合理的な選択が阻害されるおそれがある。」
つまり、ステマは、一般消費者が広告案件とは知らず、客観的な第三者の意見・評価として宣伝内容を誤認して商品の購入を選択してしまうおそれがあり、自主的合理的な意思決定を阻害する点で、従前の規制対象である優良誤認表示、有利誤認表示と同等に規制する必要性があるのです。

3.罰則

それでは、ステマ規制を知らずに、PR案件であることを表記しないで宣伝してしまった場合、罰則などはあるのでしょうか?
この点、現在の法制度では、あくまで宣伝を依頼した企業・事業者(広告主)に対して、罰則がある形となっており、実際に宣伝をしたインフルエンサー等は規制の対象になっていません。
しかし、依頼元である企業に対して迷惑をかけてしまうため、広告する側であるインフルエンサーもきちんとステマ規制を理解して商品をPRする必要があります。
※なお、広告主である事業者に対する罰則は以下の通りです。

・違反した場合→差止等の措置命令の対象(景表法7条)
・措置命令にさらに違反した場合→二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金(景表法36条)

 

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2020.06.02

弁護士によるコロナウイルスに伴う労務問題の検討

検討会当事務所の弁護士において、6月1日、コロナウイルスに伴う労務問題について、具体的ケースを踏まえた勉強会を行いました。

具体的には、会社としてどのような場合に従業員に休業手当を支払う義務が発生するか、会社として負っている安全配慮義務についてコロナ特有の問題(感染防止策を十分に採れない場合に従業員に対してどのような対応を採れば良いか)等について各弁護士間での意見の交換を等を行いました。

個別具体的な問題に対する対応については追ってこのブログでも紹介してきたいと考えています。

また、従業員がコロナウイルスに感染している可能性がある場合の対処法についても検討を行いました。

その中で、仮に従業員がコロナウイルスに感染している(若しくは感染している疑いがある)にも関わらず、会社へ出社した場合には、他の従業員への感染にとどまらず、会社の企業活動自体ができなくなってしまい、会社に対し多額の損害が発生してしまう危険性があるので、会社として具体的な対策を行う必要があるとの判断に至りました。

もっとも、従来の就業規則のままでは、具体的にどのような症状が出た場合に、従業員に対し会社へ報告を義務付けることができるのか(そもそも報告を義務づけることができるのか)について明確ではないため、そのような事態に対応することができるように就業規則に従業員の健康状態の報告義務等について定める必要があると考えました。

そして、今後当事務所の弁護士にて、従業員の健康状態の報告義務などを規定した就業規則のモデル案を作成し、顧問先の企業ないし様々な企業にご提案することを予定しております。

現在は、緊急事態宣言も解除され、日本における感染者数は減少しているものの、世界的に感染者数は増加しており、有効なワクチンも開発されていないため、ニュースなどで報じられているように、感染の第2波、第3波が来る可能性は非常に高いため、企業としても、コロナウイルスに備えた労務体制を確立することは、極めて重要であると考えています。

当事務所は、これまで労務相談に関し多数の相談、解決実績を有しておりますが、コロナウイルスを踏まえた労務相談にも対応することができる体制を整えております。

また、労務相談にとどまらず、給付金、助成金申請業務についても幅広く対応しており、このような時代だからこそ、法務、労務、税務の専門家として積極的に企業の皆様のお力になりたいと考えておりますので、是非お気軽にお問い合わせください。

2020.05.12

法人税及び地方法人税並びに法人の消費税」の申告・納付期限の延長について

この度、国税庁(令和2年4月30日更新)から、法人税及び地方法人税並びに法人の消費税の申告・納付期限の延長について発表されました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、これから申告期限を迎える法人においても、期限までに申告・納付ができないやむを得ない理由がある場合には、申請していただくことにより期限の個別延長が認められることとなりました。
以下に、申告期限の延長が認められる場合や、その手続き等について詳しくご説明致します。

1.延長の対象となる法人

上記のとおり、申告・納付期限の延長が認められるためには、期限までに申告・納付ができないやむを得ない理由が必要です。では、期限までに申告・納付ができない「やむを得ない理由」がある場合とは、どういう場合でしょうか。
国税庁の発表によりますと、「やむを得ない理由」がある場合とは、次のような方々がいることにより通常の業務体制が維持できないことや、事業活動を縮小せざるを得ないこと、取引先や関係会社においても感染症による影響が生じていることなどにより決算作業が間に合わず、 期限までに申告が困難な場合を指します。

①法人の役員や従業員、関与税理士等に新型コロナウイルス感染症に感染した方がいる
②体調不良により外出を控えている方がいる
③平日の在宅勤務を要請している自治体にお住いの方がいる
④感染拡大防止のため企業の勧奨により在宅勤務等をしている方がいる
⑤感染拡大防止のため外出を控えている方がいる

なお、上記のような理由以外であっても、感染症の影響を受けて申告・納付期限までに申告・納付が困難な場合には、個別に申告・納付期限の延長が認められます。
ですので、申告・納付期限までに申告・納付が困難な法人については、一度相談されることをお勧め致します。

2.個別延長の場合の申告・納付期限

申告・納付期限の個別伸長が認められた場合の申告:納付期限はいつになるのでしょうか。
国税庁の発表によりますと、申告・納付ができないやむを得ない理由がやんだ日から2か月以内とのことです。
したがって、申告書等を作成・提出することが可能となった時点で申告を行う必要があります。

3.個別延長する場合の手続き

個別延長を申請するにあたって、別途申請書等を提出していただく必要はありません。
各申告書(法人税申告書等)を提出する際に、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を以下の方法で付記して提出してください。
なお、この場合、申告期限及び納付期限は原則として申告書等の提出日となります。

①書面の申告書で申告・納付期限延長を申請する場合
申請書の右上の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載してください。

②e-Taxで申告・納付期限延長を申請する場合
電子申告及び申請・届出による添付書類の送付書の「電子申告及び申請・届出名」欄等に、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と入力してください。

4.まとめ

今回は、「法人税及び地方法人税並びに法人の消費税」の申告・納付期限の延長についてご説明致しました。比較的利用しやすい内容になっておりますので、いざというときはご検討されても宜しいかと存じます。

※なお、詳細につきましては、国税庁からのお知らせもご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-044.pdf

2020.05.08

新型コロナウイルス感染症の影響による確定申告の申告・納付期限の延長について

1.確定申告・納付期限の延長

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、令和元年分の申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限について、令和2年4月16日(木)まで延長されることが令和2年2月27日(木)に決定しました。

また、感染拡大により外出を控えるなど、期限内に申告することが困難な方については、期限を区切らずに、4月17日(金)以降であっても柔軟に確定申告書の提出を受け付けてもらえるようになりました。

その場合、申告書の作成または来署可能となった時点で税務署で申出を行うことにより、申告期限延長の取扱いとなるようです。

2. 4月17日以降の申告相談について

4月17日以降の申告相談については、原則として、事前予約制とするなど、感染リスク防止により一層配慮した形で行われます。

3. 4月17日以降に確定申告を申告される方への税務署の対応について

(1)申告期限を延長した場合の申告所得税及び個人事業者の消費税の振替えについて
申告期限の延長申請をされた方の申告所得税及び個人事業者の消費税の口座からの振替日については、所轄の税務署から個別に連絡があります。
※ 口座からの振替日は、延長後の期限から税務署内での処理や金融機関への連絡等に要する日数を加算して個別に設定されます。

(2)新規に振替納税の利用を希望する場合について
納税を口座振替にて利用される場合は、延長後の期限までに所轄の税務署へ「預貯金口座振替依頼書」の提出が必要になります。

(3)納税資金の準備が困難な場合について
新型コロナウイルス感染症の影響で納税が難しい場合、所轄の税務署に相談・申請をすることで納税の猶予制度が適用できる場合があります。

なお、福岡県内の税務署へ連絡される場合は、下記の連絡先をご参考ください。

税務署 管轄地域 電話番号
甘木 朝倉市 朝倉郡 0946-22-2720
飯塚 飯塚市 嘉麻市 嘉穂郡 0948-22-6710
大川 大川市 三潴(みずま)郡 0944-87-2125
大牟田 大牟田市 柳川市 みやま市 0944-52-3245
香椎 東区の一部 宗像(むなかた)市 古賀市 福津市 糟屋(かすや)郡 092-661-1031
久留米 久留米市 小郡市 うきは市 三井郡 0942-32-4461
小倉 小倉北区 小倉南区 093-583-1331
田川 田川市 田川郡 0947-44-0430
筑紫 筑紫野市 春日市 大野城市 太宰府市 那珂川市 092-923-1400
西福岡 西区 城南区 早良区 糸島市 092-843-6211
直方 直方市 宮若市 鞍手郡 0949-22-0880
博多 東区の一部 博多区 092-641-8131
福岡 中央区 南区 092-771-1151
門司 門司区 093-321-5831
八幡 戸畑区 八幡東区 八幡西区 093-671-6531
八女 八女市 筑後市 八女郡 0943-23-5191
行橋 行橋市 豊前(ぶぜん)市 京都(みやこ)郡 築上郡 0930-23-0580
若松 若松区 中間市 遠賀(おんが)郡 093-761-2536

次回は、納税の猶予について詳しくご説明させていただきたいと思います。

2018.06.01

FBゆがむ成長神話

 米フェイスブックが揺れている。学生ビジネスから20億人が利用するまでに事業を拡大させてきたが,個人情報の大量流出などを機に向けられる視線は一変した。2004年の創業以来,初めて直面する逆風だ。世界最大の交流サイトを生んだインターネットの巨人に何が起きているのか。

 フェイスブックは学生同士の交流サイトとしてスタートした。06年に一般ユーザーに開放,広告事業に乗り出すと,口コミで「フェイスブック経済圏」が膨張していく。 「1000いいね!売ります」。今や学術研究テーマになるフェイスブックの「中毒性」。「いいね!」を集めるため過激な写真や言葉まで投稿してしまう。「いいね!ハンター」は増殖を続け,ネット上に専門の取引業者まで現れ出した。20億人への影響から半ば「公の空間」となったのに,プライバシーを守るルールは後回し。SNSの先駆者の成長神話はゆがみ,今年3月に綻びがあらわになった。 流出件数8700万人。英調査会社への情報漏えいはザッカーバーグ氏の公聴会招致へと発展したが,波紋はなお広がる。16年の米大統領選中,ロシアが関与したとされる大量の偽ニュースが流れた。「我々はメディアではない」。ザッカーバーグ氏は抗弁したが,その動向は米民主主義の根幹を揺るがす。もはや「知らない」では済まされない影響力だ。

 フェイスブックのみならず,インスタグラム,twitterなど一個人が自由に情報を発信できるツールが溢れたことで,プライバシーや名誉に関する問題は急増しています。こういった問題は,どういった情報を発信したら法に触れるのか,被害に遭ったらどういった対応が可能(または不可能)なのか,ということを知らないままにツールを取り入れるユーザーが多いことが一因となっています。 問題が起きてから適切に対処すべきことはもちろんですが,まずは法律の許容する部分とそうでない部分との線引きを知ることが先決です。

 弊所では,こういったインターネットトラブル及びその予防に対するご相談も承っておりますので,お悩みの方はお気軽にご相談下さい。 福岡市内の方だけでなく,那珂川・春日・大野城・大宰府・糸島・飯塚など福岡市近郊でお悩みの方々もお気軽に相談予約専用フリーダイヤル(0120-755-687)までお問い合わせください。

2018.05.31

シェアハウス運営スマートデイズ 民事再生法を申請

 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズは今年4月,東京地裁に民事再生法の適用を申請し受理されたと発表した。入居者を集められず,所有者への賃料の支払いが止まるなど運営に行き詰まった。同社によると3月末時点の負債総額は約60億円に達する。

 スマートデイズは投資目的の所有者が建設したシェアハウスを一括で借り上げた上で女子学生らに転貸する「サブリース」と呼ばれる業者。1件当たり1億円超とされる建設と不動産の取得費用のほぼすべてをスルガ銀行が融資していた。 ただ,スマート社は入居者を十分確保できず,今年1月から所有者への賃借料の支払いが止まっていた。所有者はスルガ銀行への返済に窮しており,被害者の相談に応じている弁護士によると自己破産を申請した所有者も出ているという。 不動産事業は投資を行う側も運営を行う側も共に大きなリスクを負わなければなりません。

 こういった大きなリスクを伴う事業の場合,事業経営が悪化した際にどれだけ早く手を打つかが事業者の運命を大きく左右します。 スマートデイズの場合は民事再生という形で再起を図るようですが,より早期に事業縮小などの手を選択していれば被害をもっと抑えることができたかもしれません。

 弊所では事業者様の経営方針に対するアドバイス等も行っております。事業経営について少しでもお悩みの方はお気軽にご相談下さい。 当事務所は、商品被害にまつわるご相談も多数承っておりますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。 福岡市内の方だけでなく,那珂川・春日・大野城・大宰府・糸島・飯塚など福岡市近郊でお悩みの方々もお気軽に相談予約専用フリーダイヤル(0120-755-687)までお問い合わせください。

2018.05.30

ジョイフル 長時間労働で和解。元店長に解決金3200万円

 ファミリーレストランを全国展開するジョイフルの店長だった大阪市の男性が、長時間労働が原因で心疾患を発症したとして同社に約8100万円の損害賠償を求めた訴訟は、同社が解決金3200万円を支払う内容で今年4月に和解した。 訴状によると男性は2005年に正社員として入社し、2007年から大阪店内の24時間営業の店舗で店長として勤務。2013年7月、会議後に倒れて一時心配停止となりその後に労災認定を受けた。正確な勤務時間を記載した書類はなかったが、男性側はシフト表やレシートの記載から発症前の3カ月間は休みなく出勤し1ヵ月平均で120時間超えの時間外労働があったと主張。会社側は、遅刻や休憩時間も勤務時間に参入されていると反論した上、発症と業務の因果関係も否定していた。

 未払残業代や長時間労働に基づく労災の請求は近年増加しています。 当事務所では、労働問題に関するご相談を多数承っておりますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。 福岡市内の方だけでなく,那珂川・春日・大野城・大宰府・糸島・飯塚など福岡市近郊でお悩みの方々もお気軽に相談予約専用フリーダイヤル(0120-755-687)までお問い合わせください。

2018.05.30

製造企業に賠償命令 茶のしずく訴訟17人に920万円

  •  今年2月、「茶のしずく石鹸」の旧製品を使い小麦アレルギーを発症したとして、京都府などの女性17人が製造元や販売会社、小麦由来成分を作った化学工業研究所を被告として計約1億2300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、京都地裁から出された。裁判所は、製造元であるフェニックスの責任を認め、計約920万円の支払いを命じた。 弁護団によると、全国28の裁判所に同種訴訟が起こされ、金銭を支払う内容で順次和解が成立しているが、判決はこれが初であった。ほかに福岡地裁など計5地裁で審理が続いている。
     三木裁判長は、判決理由で、箱に小麦アレルギーに関する表示がないなどの欠陥を指摘し、「問題の発覚が遅ければ、さらに被害が拡大する恐れがあった」とした。 判決によると、17人は旧製品を使用して小麦アレルギーを発症し、食事や行動を制限されるなどしたという。 なお、販売会社の「悠香」と原告らの間では、全員和解が成立しているほか、小麦由来成分を作った化学工業研究所への請求は棄却している。
     
     当事務所は、商品被害にまつわるご相談も多数承っておりますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。 福岡市内の方だけでなく,那珂川・春日・大野城・大宰府・糸島・飯塚など福岡市近郊でお悩みの方々もお気軽に相談予約専用フリーダイヤル(0120-755-687)までお問い合わせください。
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