Komoda Law Office News

2019.08.29

残業をしたときの食事代|弁護士コラム

会社には、年に何度か繁忙期がやってきます。普段とは違い、定時をかなり過ぎてから帰ることもめずらしくないはずです。

そのようなとき、会社から夜ご飯や軽食を支給されたとします。今までの記事を読んでいただいたみなさんは、「福利厚生費」にするために条件を満たさないと経費にすることはできないのではないか、もしくは「自己負担」なのではないかと思われるかもしれません。

ですが、今回でてきた夜ご飯や軽食代は、条件を満たさなくても「福利厚生費」として経費にすることができるのです。条件を満たさなくて良い、ということは全額会社負担だったとしても「給与」として扱われることもありません。

過去の記事にも書いた通り、食事は仕事をしていてもそうでなくてもとるもの、という理由で「経費」にすることができませんでしたが、残業は業務を行っていく上でやむを得ないもののため、全額会社負担で、個人の負担がゼロだったとしても「経費」にすることが可能なのです。

ただ、食事そのものを提供するのではなく、「食事手当」として現金を支給してしまうと、従業員の「給与」となり、源泉徴収の対象となりますので、現金を支給するのではなく、食事そのものを支給するようにしましょう。


個人事業主の方や中小企業経営者の方で、労務や税務関係についてお悩みの方、KOMODA LAW OFFICEでは社労士法人・税理士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

2019.08.28

「まかない代」は経費になる?|弁護士コラム

仕事の途中や仕事終わりなどに、まかないが出るお店で働いている方は多くいらっしゃいます。お店から出されるこのまかないを、従業員からお金をもらわず、無料で提供している場合、つくるためにかかった材料費は「経費」にすることができるのでしょうか。

お店に残った食材で作ったものと考えて、従業員に無料で出しているお店も少なくないと思いますが、無料で提供してしまうと、従業員の「給与」として扱われ、源泉徴収の対象となります。

以前、別の記事でお話したのですが、まかない代を「経費」にするためには、「福利厚生費」にしなかればなりません。ですので、「食事代の半分以上を従業員が負担している」「会社が負担した金額が月額3500円以下である」という条件を満たさなければ、無料で提供したまかないを経費にすることはできないのです。

例えば、食事の価額が月6000円、従業員の負担が2000円だったとします。この場合、従業員の負担は半分以下となり、「福利厚生費」とするための要件を満たしていませんので、6000-2000=4000円が給与として課税されることになります。
ちなみに、食事の価額とはお弁当などを取り寄せている場合には、お弁当屋さんに支払っている金額、お店で作った食事を出している場合には使った材料や調味料の合計金額となります。


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2019.08.27

お菓子代を「経費」にしたい場合|弁護士コラム

朝から夕方まで仕事をしていると、どうしても集中力が切れてしまいますし、合間に休憩をはさむこともあると思います。そんなとき、休憩中に食べるために朝会社に出勤する前や、お昼休みにコンビニやスーパーで買ったお菓子代は経費にすることができるのでしょうか。

これは、経費にすることはできません。会社の中にみんなが使うことのできる休憩所があり、そこにちょっとしたお菓子が置いてあったとします。このお菓子が誰でも食べられるものならば、「福利厚生費」として経費にすることができます。しかし、自分が食べるために、自分の食べたいものを買ったときには、「給与」扱いになり、源泉徴収の対象となってしまいます。

ですので、「福利厚生費」としたい場合には、「そこの会社で働く人みんなが公平に利用することができる」という条件を満たし、「経費」にしましょう。ただし、この条件を満たしていない場合には、給与、もしくは自己負担で購入しましょう。

会社によっては、「オフィスグリコ」が置いてあるところもあると思います。社内にグリコのお菓子が入った「リフレッシュ・ボックス」を置き、従業員は100円を入れて好きなお菓子を食べます。
従業員にとっては、通常の値段より安く購入することができますが、従業員の方で100円の自己負担をしていますので、オフィスグリコの購入費用は「福利厚生費」には該当しません。


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2019.08.13

企業側が採用面接時に内定者にしてはいけない質問|弁護士コラム

前述したように、一度内定を出すと簡単には内定を取り消すことができないことを理解頂けたかと思います。そのため、企業側は求める人材かどうか見極めるためには、面接が重要になると思います。

しかしながら、採用希望者がどのような人柄か知りたいがために、つい、採用担当者が踏み入った質問をしてしまった結果、思わぬトラブルに発展する可能性があります。それでは、企業側が面接時に気を付けなければならない質問事項とは、どのようなものがあるのでしょうか。

採用希望者にしてはいけない質問は大きく次の2つに分類されます。
①本人に責任のない事項
②本来本人の自由であるべき事項

①の例としては、家族の職業や家庭環境、出身地などが挙げられ、②の例としては、座右の銘や人生観、将来設計等が挙げられます。企業の採用担当者が、面接者の緊張をほぐすために質問をしたことが、自覚が無いまま法律に違反しているというリスクがあると考えられます。
また、採用担当者が知らず知らずのうちに法律を違反してしまうことだけにとどまらず、面接時に法律に違反した質問をしたことを採用希望者にSNS等で世間に拡散されてしまい、企業のイメージダウンに発展してしまう可能性も考えられます。

採用担当者が面接に入る際には、採用希望者に質問してはいけない事項を一覧化した上で、採用担当者同士で共有し、採用時のリスク対策を諮りましょう。


人事、採用時のマネジメントリスクをお考えの方はKOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)へご相談ください。
博多・那珂川に各オフィスがあるので、お住まいや職場に近いオフィスで相談可能です。福岡県内(福岡市、那珂川市、大野城市、糸島市…)、熊本県、大分県など九州各県の方もお気軽に0120-755-687までお問い合わせください。

2019.08.12

内定を取り消す場合|弁護士コラム

内定を取り消す場合、具体的にはどのようなことが「客観的に合理的で社会通念上相当と是認できる」ことに該当するのでしょうか。一般的に、採用の選考過程において、企業側が知ることができなかったことを理由とした場合に、内定の取り消しが認められるとされています。

例えば、長期間の治療を要するような重い病気に掛かってしまった場合や経歴詐称が確認され、内容が重大であること、また、卒業見込みと伝えられていた学校を内定者が卒業することができなかった場合、刑事処分を受けた場合などが「客観的に合理的で社会通念上相当と是認できる」場合に該当すると考えられます。

内定者に、協調性が見られない、不真面目であるというような抽象的な理由だけでは、内定の取り消しは認められないため、注意が必要です。

内定者が内定を辞退する際には、一般的に入社する2週間前までと定められていますが、一方で、企業側が内定を取り消す際には、内定通知時に労働契約が発生していることから、解雇にも等しいと解され、法的に強い制約が定められています。

企業側が経営の悪化などを理由に、一方的に内定の取り消しを行うことは、内定者から損害賠償を請求されてしまう事態に発展する可能性が考えられます。

良い人材を確保したい気持ちが先行し、焦って採用内定を多く出すことは大変危険です。企業は、今後の経営計画や退職者数を予測しながら、慎重に内定を決め、通知を行うように十分に気を付けましょう。


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2019.08.09

内定は労働契約に該当するの?|弁護士コラム

新卒者を採用する場合、多くの企業では、在学期間の間に内定を通知し、卒業後に採用を行うという方法を採っていますが、内定時から実際の採用まで時間がかなり空くことから、その間に、様々な事情が生じ、新卒者の内定を取り消したいと考えるケースがあると思います。

しかしながら、内定の取り消しには、内定者との間でトラブルになる可能性が予想されます。企業が内定を取り消したい場合には、どのような点に注意しなければならないのでしょうか。

一般的に、内定者と企業の間には内定通知後に内定受諾の意思確認をした時点で、法的に「始期付解約権留保付の労働契約」という労働契約が成立していると考えられています。

「始期」とは内定通知後、内定者との間で採用・入社の意思を確認し、実際に入社後、働き始めるまでの期間の事を指しています。「解約権留保」とは、企業が内定者との間に解約権を留保しているという事を示しています。

つまり、内定の取り消しを行うという事は、企業が留保している解約権を行使するという事になり、内定の取り消しには「目的に照らして客観的に合理的で社会通念上相当と是認できる」ことに該当するかどうかが重要になります。


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2019.08.08

退職届の提出期限の有効性|弁護士コラム

就業規則に退職届の提出期間を定めている企業も多いですが、さて、従業員から就業規則にて定められている退職届の提出期限より、後に提出された退職届は果たして有効なのでしょうか。

民法において「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」(民法627条 第1項)と定められています。

つまり、有期雇用契約でない従業員の場合、民法上では退職届を2週間前に提出することによって退職が認められることになっており、就業規則にて退職届の提出期間が定められていたとしても、民法627条第1項は、強行法規(当事者の意思にかかわらず、法として画一的に適用される規定)であることから、企業が退職を希望する従業員の退職時期の延長を行うことは難しいという見解が多くなされています。

企業としては、就業規則には一定の期限を定めて、退職届を提出しなければならないと定めているのに対し、期限を守らずに退職届を提出してきた従業員に対して、損害賠償を請求できないか、と考えられることもあると思います。

しかしながら、民法において2週間と定められている以上、それは難しい要望となります。企業としては、仮に突然、退職者が出たとしても、短期間で引き継ぎができるような業務フローを構築することが不可欠となるでしょう。


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2019.08.07

従業員が失踪した場合の退職手続きとは|弁護士コラム

従業員が行方不明になり失踪してしまった場合には、企業はどのような形式で退職手続きを行えばよいのでしょうか。ご説明します。

一般的に、解雇をする際には解雇予告を30日以上前に行うこと、又は、解雇予告手当の支払いが義務付けられています。
しかしながら、次のケースに該当する際には、解雇予告や解雇予告手当の支払いが不要とされています。

・天災事変や、その他事業を継続することが不可能である場合
・労働者の責に帰すべき理由に該当する場合

従業員が失踪した際、企業は解雇予告を行いたくても行えない状況に置かれます。そのため、従業員が失踪してから「2週間以上の無断欠勤」があった場合、労働者の責に帰すべき理由に該当するとされています。
解雇予告除外認定を労働基準監督署にて受けることにより、解雇予告や解雇予告手当の支払いが不要となります。

従業員を解雇するには、企業から従業員に対する解雇の意思表示が必要となります。従業員の失踪により事実上不可能な場合、意思表示の方法として「公示送達」を行うことを検討しなくてはなりません。

公示送達とは、裁判所に解雇する旨を掲示して、本人へ意思表示したものとみなす制度です。
しかしながら、この手続き行うには、相当の時間と労力が掛かってしまいます。
このような手間を避けるために、予め就業規則において、無断欠勤が続いた場合の普通解雇・懲戒解雇事由として規定を定めておくと、簡易的に退職手続きを行うことが可能になります。

 


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2019.08.05

「自己都合退職」と「会社都合退職」の違い|弁護士コラム

退職の形式としては大きく分けると「自己都合退職」と「会社都合退職」の二つがあり、「自己都合退職」とは、結婚や転居、私病の療養等の自身の意思や都合に基づいて行う退職を指しています。

「会社都合退職」とは、企業の倒産や経営不振などを理由に企業から一方的に労働契約を解除された場合など、労働契約終了の主たる原因が企業側にある場合の退職を指します。

それでは、自己都合退職か会社都合退職かの形式の違いによって、どのような違いがあるのでしょうか。
まず、退職後の雇用保険(失業保険)の給付内容が異なります。「自己都合退職」の場合には、失業保険が給付されるには退職日から3ヶ月と1週間待機することが必要であるのに対し、「会社都合退職」の場合、退職日から1週間後より失業保険が給付されます。

その他にも、支給日数や最大支給額の違いがあることから「会社都合退職」の方が従業員にとって優遇された扱いになります。これは、自分の意思で職を失った人よりも、会社の一方的な都合で職を失った人の方が保護の必要性が高くなるからです。

前述を考慮すると、会社都合退職の方が従業員にとって都合が良いのであれば、「本来は自己都合退職に該当するが、会社都合退職にしてあげようか」という発想をする経営者の方もいらっしゃると思います。
しかしながら、従業員が退職することは変わらないからという理由で、特段の理由なく従業員からの要望に応じ、「会社都合退職」として手続をしてしまうと、障害が出てきます。

例えば、しばらくの間、助成金申請ができなくなったり、従業員が裏切った場合には、後々従業員から「企業から解雇された。解雇は不当だ!」と主張されてしまうリスクがあります。

仮に、従業員から会社都合退職型式を希望する要望があったとしても、会社を守るためにも、その要望には慎重に対処しましょう。


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2019.07.31

接待と「接待交際費」|弁護士コラム

「接待交際費」とは、法人税法上の「交際費等」のことを指し、「交際費等」とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先、その他事業に関係のある者等に関する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」のことを言います。  

仕事をする中で、「新しく開発した商品の売り込み」や「お互いの親交を深める」ために、取引先の人と食事をともにすることがあると思います。

そのときにかかった費用は「経費」にすることができますが、「経費」の種類としてどこに当てはまるのでしょうか。どこに分類されても、「経費」であることには変わりありません。

しかし、経費のうちどの種類で計上するかは、法人にとってはかなり重要なことになります。 なぜかというと、資本金が1憶円以下の会社の場合、「接待交際費」に分類すると年間800万円までしか損金として計上することができないからです。

つまり、接待交際費は年間800万円を超えた場合、法人のお金が減るだけで、節税効果を得ることができません。以前の記事に書いたように、利益は「売上」―「経費」で計算され、「税金」は、この計算によって算出された利益に対して課税されます。ですので、「経費」になった方が、利益が減り、「税金」の額も小さくなることになります。

以上のことを考えると、「接待交際費」にするよりも、金額に関係なく「経費」にすることが可能な「会議費」とする方が良いと言えます。

そして、「会議費」として「経費」とするには、食事をともにする目的が会議なのかを判断し 、食事の費用が高額な場合には、議事録等を作成することで、会議をするための食事だったということを証明しましょう。


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