Komoda Law Office News

2023.10.06

イグジットを目指すベンチャー企業が注意すべき点は?ベンチャー企業の株式の保有割合や資本政策の留意点を弁護士が解説

Question.
知人と一緒にベンチャー企業を立ち上げて、最終的にはイグジットしたいと考えていますが、株式の保有割合や資本政策に関して留意すべき点はありますか?

1.資本政策について

資本政策とは、会社において、いつ、いくらでどのくらいの株式を発行していくかという、株式等の発行に関する計画のことをいいます。

株主が1人しかいなければ、設立時は創業者が100%保有しますが、後に資金調達の必要性から投資家から出資をうけたり、共同経営に参画したいというパートナーに株式を渡したり等、投資家が増えていくタイミングで、どの程度の株式を渡すか等を検討しなければなりません。

ベンチャー企業

資本政策について、決まったルールはありませんが、株式は会社の運営に参加できる権利であり、株式の保有割合に応じて、会社に対する支配力も変わってきます。
なお、頻繁に資金調達を行い、第三者に対しての増資を繰り返していくと、相対的に創業者の持ち株比率が低下していき支配力が落ちていきます。

これを持株比率の希薄化といいます。

そのため、ベンチャー企業において、シリーズA、シリーズB、シリーズC・・・等と繰り返し資金調達を予定している場合は、最終的な資金調達計画までを見据えて、各段階の出資割合を検討する必要があります。
資本政策を検討する上では、誰にどの程度株を持たせるのかを判断し、会社運営にどの程度関与させるのかや、資金調達のスケジュール等を考慮して決める必要があります。

なお、資本政策を失敗すると、後々、株式を集約化するために苦労する場合もあります。
例えば、会社を将来的にM&Aで売却したいと考えている場合、少数株主が多数存在すると、全株主から同意を得なければスムーズに進まず、その手続きに莫大な時間と労力を費やす場合もあります。
また、M&Aを行わないにしても、少数株主が多数分散していると、株主総会の招集手続き等、株主管理コストの負担が大きくなります。

一度分散してしまった株式は、その管理や回収のためにコストがかかりますので、資本政策は慎重に決める必要があります。

2.共同経営者との起業で注意すべきポイント

共同経営者と起業した場合、対等な権限という趣旨で、50%、50%で株式を割り振っているケースも見受けられますが、これは共同経営者間で意見対立がなければ問題ないですが、方針対立等があった場合は、何も決められなくなってしまいます。
この状態をデットロック状態といいますが、そのようなケースを避けるために、共同経営者と起業したとしても、51%はどちらかがもつように設計されたほうが良いでしょう。 なお、資本政策以外にも、株主間契約、創業者間契約などと呼ばれる契約書を締結して、役員を退任した場合の株式の処理まで合意を締結しておくとより安心でしょう。

 

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