Komoda Law Office News

2019.08.22

賞与計算の流れ② 保険料、所得税|労務コラム

支給額が決まったら、次は控除対象となる従業員負担の保険料と所得税を計算しましょう。

(1)社会保険料

社会保険料は、以下の式に基づいて計算します。

健康保険料=(1000円未満を切り捨てした賞与支給額)×健康保険料率÷2
厚生年金保険料=(1000円未満を切り捨てした賞与支給額)×厚生年金保険料率÷2

※健康保険料率・厚生年金保険料率は、毎月の給与計算で使用する保険料額表を参照します。 賞与計算で控除する社会保険料は、通常の給与から差し引く社会保険料額とは異なりますので、ご注意ください。

(2)雇用保険料

雇用保険料は、毎月の給与計算時と同じく、以下の式に基づいて計算します。

雇用保険料=賞与支給額×雇用保険料率

※雇用保険料率は、毎月の給与計算で使用する雇用保険料率についてを参照します。

(3)所得税

所得税は、以下の式に基づいて計算します。

所得税={賞与支給額-(社会保険料+雇用保険料)}×税率

※税率は、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を参照します。毎月の給与計算で参照する表とは異なりますので、ご注意ください。
※税率は、前月の給与をもとに確認する必要があります。

従業員が会社に給与所得者の扶養控除等申告書を提出している場合は、扶養親族等の人数を確認します。表は、扶養控除等申告書を提出している従業員は甲欄、その他の従業員は乙欄を参照します。


従業員の給与計算・賞与計算のことでお困りの企業の方、KOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)にお任せください!
社労士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

2019.08.21

賞与計算の流れ① 賞与とは、賞与額の確認|労務コラム

これまでの記事では給与計算についてお話をしてきましたが、今回の記事からは賞与計算に関するお話です。
※給与計算についてのコラムはこちらから

賞与(通称:ボーナス)とは、「定期または臨時に労働者の勤務成績、経営状態等に応じて支給され、その額があらかじめ確定されていないもの」(昭和22年9月13日付け発基17号)を指します。

賞与を計算する際は、就業規則給与・賞与規程、雇用契約書などを準備して、支給対象者支給時期支給基準支払方法を確認する必要があります。

法律上、賞与を支給することは義務付けられていないので、支給の有無や支給要件などは全て会社のルール次第で決まります。賞与の支給を考えているけれど、賞与に関するルールが会社に存在していなかったり、曖昧だったりする場合は、社会保険労務士などの専門家に相談しながら、しっかりとした定めを置きましょう。

賞与計算を始めるにあたり、まずは、支給する賞与額を確認します。一般的に、賞与の額は、会社の業績や各従業員の勤務成績・態度などを考慮して決めます。「給与の〇か月分を賞与として支給する」など、毎年決まった額を支給する会社もありますが、会社の会計バランスを考えるのであれば、業績を見ながら支給の有無、支給金額を判断すべきでしょう。

 


従業員の給与計算・賞与計算のことでお困りの企業の方、KOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)にお任せください!
社労士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

2019.08.08

退職届の提出期限の有効性|弁護士コラム

就業規則に退職届の提出期間を定めている企業も多いですが、さて、従業員から就業規則にて定められている退職届の提出期限より、後に提出された退職届は果たして有効なのでしょうか。

民法において「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」(民法627条 第1項)と定められています。

つまり、有期雇用契約でない従業員の場合、民法上では退職届を2週間前に提出することによって退職が認められることになっており、就業規則にて退職届の提出期間が定められていたとしても、民法627条第1項は、強行法規(当事者の意思にかかわらず、法として画一的に適用される規定)であることから、企業が退職を希望する従業員の退職時期の延長を行うことは難しいという見解が多くなされています。

企業としては、就業規則には一定の期限を定めて、退職届を提出しなければならないと定めているのに対し、期限を守らずに退職届を提出してきた従業員に対して、損害賠償を請求できないか、と考えられることもあると思います。

しかしながら、民法において2週間と定められている以上、それは難しい要望となります。企業としては、仮に突然、退職者が出たとしても、短期間で引き継ぎができるような業務フローを構築することが不可欠となるでしょう。


経営マネジメントリスクをお考えの方はKOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)へご相談ください。
博多・那珂川に各オフィスがあるので、お住まいや職場に近いオフィスで相談可能です。
福岡県内(福岡市、糟屋郡、古賀市、北九州市…)、熊本県、大分県など九州各県の方もお気軽に0120-755-687までお問い合わせください。

2019.08.07

従業員が失踪した場合の退職手続きとは|弁護士コラム

従業員が行方不明になり失踪してしまった場合には、企業はどのような形式で退職手続きを行えばよいのでしょうか。ご説明します。

一般的に、解雇をする際には解雇予告を30日以上前に行うこと、又は、解雇予告手当の支払いが義務付けられています。
しかしながら、次のケースに該当する際には、解雇予告や解雇予告手当の支払いが不要とされています。

・天災事変や、その他事業を継続することが不可能である場合
・労働者の責に帰すべき理由に該当する場合

従業員が失踪した際、企業は解雇予告を行いたくても行えない状況に置かれます。そのため、従業員が失踪してから「2週間以上の無断欠勤」があった場合、労働者の責に帰すべき理由に該当するとされています。
解雇予告除外認定を労働基準監督署にて受けることにより、解雇予告や解雇予告手当の支払いが不要となります。

従業員を解雇するには、企業から従業員に対する解雇の意思表示が必要となります。従業員の失踪により事実上不可能な場合、意思表示の方法として「公示送達」を行うことを検討しなくてはなりません。

公示送達とは、裁判所に解雇する旨を掲示して、本人へ意思表示したものとみなす制度です。
しかしながら、この手続き行うには、相当の時間と労力が掛かってしまいます。
このような手間を避けるために、予め就業規則において、無断欠勤が続いた場合の普通解雇・懲戒解雇事由として規定を定めておくと、簡易的に退職手続きを行うことが可能になります。

 


労務や経営リスクでお悩みの経営者の方はKOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)へご相談ください。
博多・那珂川に各オフィスがあるので、お住まいや職場に近いオフィスで相談可能です。福岡県内(福岡市、那珂川市、大野城市、糸島市…)、佐賀県など九州各県の方もお気軽に0120-755-687までお問い合わせください。

2019.08.05

「自己都合退職」と「会社都合退職」の違い|弁護士コラム

退職の形式としては大きく分けると「自己都合退職」と「会社都合退職」の二つがあり、「自己都合退職」とは、結婚や転居、私病の療養等の自身の意思や都合に基づいて行う退職を指しています。

「会社都合退職」とは、企業の倒産や経営不振などを理由に企業から一方的に労働契約を解除された場合など、労働契約終了の主たる原因が企業側にある場合の退職を指します。

それでは、自己都合退職か会社都合退職かの形式の違いによって、どのような違いがあるのでしょうか。
まず、退職後の雇用保険(失業保険)の給付内容が異なります。「自己都合退職」の場合には、失業保険が給付されるには退職日から3ヶ月と1週間待機することが必要であるのに対し、「会社都合退職」の場合、退職日から1週間後より失業保険が給付されます。

その他にも、支給日数や最大支給額の違いがあることから「会社都合退職」の方が従業員にとって優遇された扱いになります。これは、自分の意思で職を失った人よりも、会社の一方的な都合で職を失った人の方が保護の必要性が高くなるからです。

前述を考慮すると、会社都合退職の方が従業員にとって都合が良いのであれば、「本来は自己都合退職に該当するが、会社都合退職にしてあげようか」という発想をする経営者の方もいらっしゃると思います。
しかしながら、従業員が退職することは変わらないからという理由で、特段の理由なく従業員からの要望に応じ、「会社都合退職」として手続をしてしまうと、障害が出てきます。

例えば、しばらくの間、助成金申請ができなくなったり、従業員が裏切った場合には、後々従業員から「企業から解雇された。解雇は不当だ!」と主張されてしまうリスクがあります。

仮に、従業員から会社都合退職型式を希望する要望があったとしても、会社を守るためにも、その要望には慎重に対処しましょう。


経営マネジメントリスクをお考えの方はKOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)へご相談ください。
博多・那珂川に各オフィスがあるので、お住まいや職場に近いオフィスで相談可能です。
福岡県内(福岡市、糟屋郡、古賀市、北九州市…)、佐賀県、大分県など九州各県の方もお気軽に0120-755-687までお問い合わせください。

2019.07.31

接待と「接待交際費」|弁護士コラム

「接待交際費」とは、法人税法上の「交際費等」のことを指し、「交際費等」とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先、その他事業に関係のある者等に関する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用」のことを言います。  

仕事をする中で、「新しく開発した商品の売り込み」や「お互いの親交を深める」ために、取引先の人と食事をともにすることがあると思います。

そのときにかかった費用は「経費」にすることができますが、「経費」の種類としてどこに当てはまるのでしょうか。どこに分類されても、「経費」であることには変わりありません。

しかし、経費のうちどの種類で計上するかは、法人にとってはかなり重要なことになります。 なぜかというと、資本金が1憶円以下の会社の場合、「接待交際費」に分類すると年間800万円までしか損金として計上することができないからです。

つまり、接待交際費は年間800万円を超えた場合、法人のお金が減るだけで、節税効果を得ることができません。以前の記事に書いたように、利益は「売上」―「経費」で計算され、「税金」は、この計算によって算出された利益に対して課税されます。ですので、「経費」になった方が、利益が減り、「税金」の額も小さくなることになります。

以上のことを考えると、「接待交際費」にするよりも、金額に関係なく「経費」にすることが可能な「会議費」とする方が良いと言えます。

そして、「会議費」として「経費」とするには、食事をともにする目的が会議なのかを判断し 、食事の費用が高額な場合には、議事録等を作成することで、会議をするための食事だったということを証明しましょう。


個人事業主の方や中小企業経営者の方で、労務や税務関係についてお悩みの方、KOMODA LAW OFFICEでは社労士法人・税理士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

2019.07.30

「福利厚生費」と「会議費」|弁護士コラム

「仕事中のひとりカフェは経費になる?」という記事で、「経費」はひとりでカフェなどに行った場合でも適用されると説明しました。
では、仕事をしながらご飯を食べたときのご飯代はどうでしょうか。

ただご飯を食べているのではなく、仕事もしていますから、経費にしたいところですが、全てを経費にすることができません。ですが、「食事代の半分以上を従業員が負担している」、及び「会社が負担した金額が月額3500円以下である」場合は、食事代を「福利厚生費」として「経費」にすることが可能となります。

もし、複数人の打ち合わせだった場合は、「会議費」として「経費」にすることができますが、先述したように、打ち合わせだったことを証明するために、領収書などの裏に行った人の名前、また、行った目的、人数を記載することが必要です。


個人事業主の方や中小企業経営者の方で、労務や税務関係についてお悩みの方、KOMODA LAW OFFICEでは社労士法人・税理士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

2019.07.29

仕事中のひとりカフェは経費になる?|弁護士コラム

プレゼン作りや、資料の準備などで、ひとりで喫茶店やカフェに行き、仕事をすることがあると思います。
そのときお店で頼んだコーヒー代は「経費」とする対象になるのでしょうか。

会社ではない場所で、なおかつひとりなのだからならない、と思う方は多いと思います。ですが、これは会議費として経費にすることができます。
「会議費」という言葉だけを聞くと、2人以上ではないと成立しないのではないかと考えがちですが、喫茶店やカフェに行った目的が仕事だったのであれば、会議費として経費にすることができます。

ただ、仕事をしていたと証明するために、領収書やレシートなどの裏に、喫茶店などに行った人の名前、お店で何をしていたのかをメモして残しておいてください。 仮に、お店に行った目的が仕事をするためではなく、単にひと休みするためだったとします。

その場合は、「会議費」にすることができません。代わりに、「福利厚生費」とします。福利厚生費として経費にするためには、従業員全員が精算できる必要があります。そうでないと、「給与」となり、従業員が所得税を課されることになります。


個人事業主の方や中小企業経営者の方で、労務や税務関係についてお悩みの方、KOMODA LAW OFFICEでは社労士法人・税理士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

2019.07.16

給与計算③所得税・住民税の計算と給与明細の作成|労務コラム

今回の記事では、前回の続きとして、所得税・住民税の計算方法と、給与明細の作成についてご説明します。

⒜所得税

所得税は、源泉徴収税額表を用いて確認します。また、従業員が会社に提出していれば「給与所得者の扶養控除等申告書」も準備しましょう。これは、同申告書の提出の有無によって源泉徴収税額表の見る箇所が異なり、また、配偶者、子、親といった扶養親族等の人数によって、税額が変わってくるためです。

源泉徴収税額表には、月額表と日額表があります。給与を月、半月、10日、月の整数倍の期間ごとに支払う従業員については月額表を参照します。月額表の中でも、従業員が給与所得者の扶養控除等申告書を提出している場合は甲欄、その他の従業員については乙欄を使用します。

日や週ごとに支払う従業員、日割で支払う従業員、日雇賃金を支払う従業員については日額表を参照します。日額表の中でも、日や週ごと、日割で支払う従業員で、給与所得者の扶養控除等申告書を提出している場合は甲欄、その他の従業員については乙欄を使用します。また、日雇賃金を支払う従業員については丙欄を使用します。

※この表は例です。実際に計算する際は、必ず前述の表をご準備ください。

 ⒝住民税

住民税は、毎月5月頃に市区町村から会社に送られてくる特別徴収税額決定通知書を確認して控除します。

以上で、所得税・住民税の計算は終了です。

最後に、給与明細を作成します。給与明細は、給与を振込みで支給している場合でも作成し、従業員に渡さなければなりません。

 

従業員の給与計算のことでお困りの企業の方、菰田総合法律事務所にお任せください!
社労士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

2019.07.12

給与計算②保険料|労務コラム

今回の記事では、前回の続きとして、社会保険料・雇用保険料の計算方法についてご説明します。

⒜社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料)

給与から控除する社会保険料は、保険料額表を見て確認します。毎年3月に健康保険料率と介護保険料率、毎年9月に厚生年金保険料率が変更されるので、必ず最新の表を準備しましょう。

※この表は例です。実際に計算する際は、必ず前述の表をご準備ください。

 

最新の保険料額表を準備したら、まずは報酬月額を算出する必要があります。報酬月額とは、会社が労働の対償として従業員に支払う報酬(基本給、通勤手当、住宅手当、家族手当、残業手当、年4回以上支給される賞与など)のことです。

次に、算出した報酬月額を、準備した保険料額表にあてはめて標準報酬月額を決定し、社会保険料と厚生年金保険料を確認します。社会保険料と厚生年金保険料の確認方法ですが、保険料額表のうち、決定した標準報酬月額の行を参照します。社会保険料は会社と従業員で折半するので、控除する額は「全額」欄ではなく「折半額」欄を確認しましょう。健康保険料は、40歳未満の従業員の場合、「介護保険第2号被保険者に該当しない場合」の折半額、40歳以上の従業員の場合、「介護保険第2号被保険者に該当する場合」の折半額を確認します。厚生年金保険料は、一般の被保険者の折半額を確認します。

 ⒝雇用保険料

これに対して、雇用保険料は総支給額に雇用保険料率を掛けて算出します。よって、総支給額が変わる度に計算する必要があります。雇用保険料率は、会社の事業の種類によって異なるので、厚生労働省のホームページで表を見て確認しなければなりません。

※この表は例です。実際に計算する際は、必ず前述の表をご準備ください。

社会保険料と同じく、雇用保険料も従業員負担分と会社負担分があるので、給与から控除する額は「①労働者負担」欄を確認しましょう。

以上で、保険料の計算は終了です。次回は、所得税・住民税の計算方法と給与明細の作成についてご説明します。

従業員の給与計算のことでお困りの企業の方、菰田総合法律事務所にお任せください!
社労士法人も有しておりますので、確かなノウハウで事業者に合わせたご提案をいたします。ぜひ092-433-8711までお問い合わせください。

1 2 3 4 5 6 7 10
KOMODA LAW OFFICE 総合サイト
遺産相続ワンストップサービス 相続専門サイト
KITTE博多マルイ5F相続LOUNGE
弁護士コラムYouTubeFacebook