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法定時間外労働と割増賃金のリスク

2019.07.03

労働基準法第32条では、法定労働時間を原則1日8時間1週間40日と定められています。この法定労働時間を超えた労働を「法定時間外労働」と言い、この法定時間外労働については、労働基準法第37条により割増賃金の支払義務が使用者に生じます。当然ながら、労働者に法定外時間外労働をさせる場合、36協定の締結が必要となります。

これに対して、所定労働時間(企業で定められている始業時間から終業時間までの時間から、休憩時間を差し引いた時間)を超えた労働ではあるが、法定労働時間を超えない「法定内時間外労働」の場合には、労働基準法上、使用者に割増賃金の支払義務は生じません。

この場合、使用者は労働者に対して通常の賃金を支払えば良いとされ、割増賃金を支払うか否かについては労働契約、もしくは就業規則の規定によります。

それでは、実際に割増賃金を支払う場合には、どのように計算をすれば良いのでしょうか。割増賃金は①時間外労働、②深夜労働、③休日労働に対して支払われ、各割増率については次の通りとなります。

 

  • 時間外労働 

法定労働時間を超える労働に対して通常の賃金の25%以上
(大企業の場合、1か月の時間外労働時間が60時間を超える場合は、通常の賃金の50%以上)

  • 深夜労働  

午後10時から午前5時までの労働に対して通常の賃金の25%以上

  • 休日労働

法定休日の労働に対して通常の賃金の35%以上

 

なお、上記が重複する場合には割増率を合算し、割増賃金を支払うことになります。例えば、時間外労働と深夜労働が重複した場合には、①時間外労働25%②深夜労働25%となり、割増率は50%となります。休日労働と深夜労働が重複した場合には、②深夜労働25%③休日労働35%となり、割増率は60%になります。

また、法定外休日(別名を所定休日とも言います。)の労働に対しては、その日の勤務により1週間の労働時間が法定労働時間を上回る場合、時間外労働分につき割増賃金(通常の賃金の25%以上)を支払わなければなりません。

 

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