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○ 性犯罪厳罰化 課題なお残る

2017.03.08

性犯罪を厳罰化する刑法改正案が3月7日,閣議決定された。抜本的な見直しを求める声もあり,公判での証言を求められる被害者の心理的なケアも引き続き課題だ。

 

 

最近のニュースでもご存知かと思いますが,強姦罪の改正がなされるようです。

現行の強姦罪は,「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は,強姦の罪とし,3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も,同様とする。」(刑法177条)と規定しています。現在の強姦罪の特徴としては,①暴行又は脅迫を手段として使用する必要があること,②女性のみをその対象としていること,③起訴には告訴が必要とされていること,④強姦罪に該当した場合の刑罰としては懲役3年以上とされていることなどが挙げられます。

 

他方で改正後は,まず罪名が強姦罪から強制性交等罪に変わることになります。ここではすべての改正を説明することはしませんが,主要な点だけ説明致します。

まず,①暴行脅迫について同居している親などの「監護者」が支配的な立場に乗じて性交をした場合には不要とされることになりました。

また,②対象に女性だけではなく,男性も含まれるようになり,③告訴が不要とされ捜査機関が自由に捜査に着手できるようになったうえ,④懲役が5年以上になりました。

 

このような改正は大勢の被害者の立場からすれば望ましいものなのかもしれません。

しかし,現行の強姦罪で告訴が必要とされているのはむやみやたらに警察が捜査して被害者が傷つくことを防止するためのものですし,暴行脅迫を要件とすることも「合意」のもとになされていないことを立証するために役立つものでした。

本当に被害者のためになっているのか,無辜の加害者を誕生させないか,二次被害を防止するための手続きの改正の方が先なのではないかまだ検討の余地はあるように感じます。

 

当事務所には男性弁護士だけでなく,女性弁護士も多数在籍しております。

男女問題で気になることがある方は,お気軽にご相談くださいませ。

 

 

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