Komoda Law Office News

2016.10.20

11 寄与分 ④

寄与は、「特別の」寄与でなければなりません。

では、どのような寄与であれば、「特別の」と言えるでしょうか。

 

まずは、相続人が、その寄与に対して、なんらの対価や報酬をもらっていないことが必要です。

寄与分という制度は、自らの出費や労働によって被相続人の財産の形成を助けた者に、その働きに見合うだけのものを与えようという制度です。

そのため、すでに対価や報酬をもらっている場合は、寄与分とは評価されないのです。

 

次に、被相続人との身分関係において、通常期待される程度を超える寄与であることが必要です。

例えば、夫婦間には協力扶助義務という、お互いを助け合いましょうという義務があります。また、直系血族や兄弟姉妹には扶養義務があります。

これらの義務として、普通の人が当然だと考えるものは、単なる義務を果たしただけであり、「特別の」寄与とは呼べないということです。

 

また、寄与行為が相当期間に及ぶ場合も、「特別の」寄与として評価されることがあります。

 

以上を満たした時に、「特別の」寄与として、寄与分が評価されることになります。

 

 

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2016.10.20

10 寄与分 ③

は、どのような貢献をしていれば、寄与分として評価されるのでしょうか。

 

民法は、以下の4つを挙げています。

①被相続人の事業に関する労務の提供

②被相続人の事業に関する財産上の給付

③被相続人の療養看護

④その他の方法

 

①は例えば、家業を一緒に手伝っていた、というような場合です。

②は例えば、家業に必要な資金や店舗などの不動産を提供した、というような場合です。

③は、病気や老後の面倒を看る場合のことです。

そして、④はその他の方法となっていますが、例えば、被相続人が住むための建物を建てる時に、一部お金を出してあげたというような、被相続人の事業とは関係のないところでの財産の提供などが、これにあたります。

 

また、寄与分と評価されるためには、これらの行為によって、被相続人の財産が維持されたり、増加したりしたことが必要となります。

増加は文字通りですが、維持とは、相続人の出費によって、被相続人が財産を消費しなくて済んだ場合などがあたります。

 

もう一つ、寄与分とは、「特別な」寄与であることが必要ですが、これについては次回お話しします。

 

 

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2016.10.20

9 寄与分 ②

特別受益と同様、特別な貢献を寄与分として評価できるのは、相続人が行った寄与に限られます。

まったくの他人が貢献していても、原則としてそれは相続の問題には反映されません。

 

しかし、被相続人の面倒を、息子である相続人本人より、むしろ相続人の配偶者が看ていた、というようなことはよくあることだと思います。

このような場合に、その相続人の配偶者の寄与がまったく考慮されないというのでは感覚的にもおかしいと言えるでしょう。

そこで、このような相続人の配偶者や子どもによる寄与がある場合、これらの者を相続人の補助者と考えて、その寄与が相続人の寄与分として考慮される場合もある、と裁判所は判断しています。

 

また、代襲相続人については、自らが行った寄与を寄与分とできるのはもちろん、被代襲者の行った寄与も、自己の寄与分とすることができる場合もあるとされています。

 

 

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2016.10.20

8 寄与分 ①

前回まで特別受益についてお話ししましたが、今度は逆に、相続人が被相続人の家業を手伝って、財産を増やすのに協力していた場合等の相続分の修正についてお話しします。

 

被相続人の財産の維持や増加について、特別の貢献(これを寄与と呼びます)をした者に、法定相続分に加えて、特別に与えられる相続割合の増加を寄与分と呼びます(904条の2)。

 

このような者がいた場合、被相続人の財産には、寄与した者の出費や労働によってできあがった財産が含まれています。

それにも関わらず、法定相続分の通りに、何もしていない他の者と同じように分けてしまうと、実質的公平に反します。

そこで、民法は、そのような相続人の特別な貢献を、相続財産に占める割合ないし金額として評価して、寄与分として、その相続人の相続分に加えることとしているのです。

こうして、実質的な公平を実現するわけです。

 

 

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2016.10.17

7 特別受益 ⑦

特別受益の持ち戻しについて、その現物ではなく、計算上の金額が持ち戻されます。

では、その金額はどのように決められているでしょうか。

 

特別受益の対象となる物の金額は、相続開始の時点での金額に換算されて計算されます。

金銭であれば、相続開始時点での貨幣価値に換算し、不動産や動産であれば、相続開始時点での時価に換算されます。

 

贈与された物を、贈与を受けた者が損壊したり売却したりして、価値が下がったり、物がなくなったりしていても、持ち戻しにおいては、なお贈与された時のままの状態とみなして金額が換算されます(904条)。

つまり、贈与された物を不注意で壊してしまって、現在持っていなくても、贈与された時の金額で特別受益がなおあるものとして扱われるということになります。

 

 

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2016.10.17

6 特別受益 ⑥

では、相続人の配偶者や子どもに対して贈与がなされた場合は、特別受益になるのでしょうか。

 

相続人の配偶者や子どもに対する贈与は、相続人に対する贈与ではないため、基本的には特別受益とはならず、持ち戻しの対象にはなりません。

特別受益は、あくまで相続人の間の公平を実現するための制度であるため、他人に財産を渡した場合と同じように、持ち戻す必要はないからです。

 

しかし、例えば、相続人の配偶者に対する贈与として、相続人一家が住むための家が贈与されたような場合は、他人に財産を渡したと言い切っていいでしょうか。

このような場合、形式的には配偶者に対する贈与であっても、実質的には相続人に対して直接なされた贈与と言っていいと考えられます。

こういった場合には、相続人に対する贈与と同じものとして、特別受益に該当し、相続財産に持ち戻されることになるわけです。

 

 

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2016.10.17

5 特別受益 ⑤

特別受益となる「遺贈」や「贈与」は、相続人に対するものに限られます。

したがって、相続を放棄した者は最初から相続人ではなかったこととして扱われるので、その者に対する「遺贈」や「贈与」は特別受益の対象にならず、持ち戻しもされません。

 

また、代襲相続人について、代襲原因が発生する前に受けた贈与については、贈与された時点では相続人ではないので、相続分の前渡しとは言えず、特別受益の対象とはなりません。

もちろん、代襲原因が発生した後に受けた贈与は、相続人としての受益ですので、特別受益にあたります。

 

これに対して、贈与の時点では相続人ではなかったが、贈与を受けた後に、婚姻や養子縁組で相続人となった者に関しては、相続人の間の実質的公平の観点から、特別受益として持ち戻しの対象となる場合もあると、裁判所は判断しています。

 

 

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2016.10.17

4 特別受益 ④

では、特別受益となるものについて具体的にお話ししていきます。

 

相続人に対する「遺贈」の場合、特定遺贈・包括遺贈を問わず、常に特別受益となります。

「相続させる」という旨の遺言による受益も、特別受益として持ち戻されます。

 

生前の「贈与」の場合、すべての「贈与」が特別受益となるわけではありません。

婚姻・養子縁組・生計の資本のために「贈与」されたものが特別受益となります(903条1項)。

 

婚姻・養子縁組のための贈与としては、持参金や結納金といったものがこれにあたります。

 

生計の資本のための贈与としては、生計を立てるための基礎となるような財産であれば、広くこれにあたります。養育費のような扶養義務の範囲にあるものは含まれません。

例えば、住むための不動産の贈与であったり、扶養から独立した子どもへの資金援助等がこれにあたります。

 

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2016.10.14

3 特別受益 ③

特別受益の制度ですが、遺言と同じく、本来は遺産分割を公平にするかどうかは被相続人の自由です。

 

そこで、特別受益にあたる「遺贈」や生前の「贈与」があったとしても、それについて前回お話しした計算処理をするかどうかは、被相続人の意思によるとされています。

 

被相続人が、ある相続人(A)に財産を贈与した場合、以下の意思が考えられます。

①単にAにその財産をあげたい場合

②遺産としてAに与える財産は、その財産だけである場合

③相続とは別に、Aにその財産を余分に与えたい場合

 

①および②の場合は、特別受益として前回お話しした通りの処理がなされます。

 

被相続人の意思が③の趣旨であることが明確な場合、その財産は特別受益としての処理をなされず、Aは相続と別にその財産を手に入れることができます。

Aはその財産を持った上で、他に特別受益等がなければ法定相続分通りの財産をもらえるというわけです。

 

なお、被相続人の意図が明らかではない場合は、①の趣旨であるとして、特別受益の処理がなされます。

 

 

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2016.10.14

2 特別受益 ②

今回は、前回お話しした特別受益の計算を、具体例を用いてお話しします。

 

例えば、相続人が配偶者Aと二人の子どもB・Cであるとします。

そして、遺産は1500万円とし、それに加えて実はBは生前500万円相当の土地を被相続人から特別受益として贈与されていたこととします。

 

この場合、まず、Bの受けた特別受益を相続財産に持ち戻し、計算上相続財産を2000万円とみなします。これをみなし相続財産と言います。

そして、各自の法定相続分を計算し、Aが2分の1、B・Cがそれぞれ2分の1の2分の1で4分の1となります。

この法定相続分に従って相続財産を分割し、一応の相続する額を計算すると、Aが2分の1で1000万円、B・Cは4分の1の500万円ずつとなります。

そして最後に、この一応の相続する額から、それぞれの受けた特別受益の額を引いたものが具体的相続分となります。

すなわち、最終的な具体的相続分は、Aが1000万円、Bが500万円-500万円で0円、Cが500万円となります。

 

このように具体的相続分を割り出した後、それぞれの額になるように遺産を分割します。

なお、Bは0円であり、一見なにももらえないように見えますが、特別受益となる土地をすでに持っていますので、実質的に公平に分割されたことになるということです。

 

 

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