Komoda Law Office News

2016.10.26

20 遺留分(6) 遺留分減殺請求権 ④

一般的な贈与と同様、民法903条によって規定される特別受益に該当する贈与についても、遺留分減殺請求の対象となります。

 

特別受益については、たとえ1年以上前の贈与のように、1030条の規定に当てはまらないものも、特別受益に該当すれば、原則として全て遺留分減殺請求の対象となります。

 

もっとも、全てとはいっても、さすがに何十年も前の特別受益を返せとは言えないので、例外が認められています。

すなわち、相続開始の時点よりも相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続などの関係人の個人事情の変化を考慮して、減殺請求をすると相手に酷であると認められる場合には、例外として、減殺請求の対象とならないと裁判所は判断しています。

 

なお、特別受益とされた物の価値に相当する金額は、特別受益の規定に従って、相続開始時点の時価となります。

 

 

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2016.10.26

19 遺留分(5) 遺留分減殺請求権 ③

遺留分減殺請求を、遺贈・贈与に対して行うことができるとお話ししましたが、遺贈はともかくとして、贈与はどこまでさかのぼってその対象となるのでしょうか。

 

この点について民法は、一般的な贈与と、相続人に対する特別受益とを分けた上で、一般的な贈与については、相続開始前の1年間に行われた贈与に限って、減殺の対象となるとしています(1031条、1030条)。

10年前に贈与され、10年間その物を使用してきたのに、突然遺留分が侵害されているから返せと言われても納得できないでしょうから、1年間という期間を区切ることにしたのです。

もっとも、被相続人と贈与を受けた者の両方が、遺留分を侵害することを知っていて贈与を行った場合には、1年以上前に行われた物であっても減殺請求の対象となります。

侵害することを知っていてされたのであれば、それを理由に取り返されても仕方がないということです。

 

 

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2016.10.25

18 遺留分(4) 遺留分減殺請求権 ②

遺留分減殺請求は、遺留分を侵害する遺贈や贈与を受けた者、およびその相続人などの包括承継人を相手方として行使することができます(1031条)。

 

また、1031条には書いてありませんが、現在は、遺贈・贈与だけでなく、遺言による相続分の指定(902条)も遺贈に近いものとして減殺の対象になると考えられているため、相続分の指定を受けた相続人に対しても行使することができます。

 

もし、遺贈・贈与を受けた者が、目的物を第三者に売ったりあげたりしていた場合には、目的物の代わりに、目的物の価値に相当する金額を請求することができます(1040条)。

また、その第三者が、遺留分を侵害することをわかっていて受け取っていた場合は、その第三者に対しても減殺請求ができることになっています。

 

遺留分減殺請求に対しては目的物の返還が原則ですが、相当金額の金銭で支払うことも認められています(1041条)。

建物の贈与を受けた者が、すでにそこに住んでいるといった場合に、建物を返すことは自分の生活上困難なので、その価値相当の金額の金銭を支払うことで、建物を返還しなくてもよくなるという制度です。

どちらにせよ、侵害された遺留分の金額は確保されるので、これが認められています。

 

 

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2016.10.25

17 遺留分(3) 遺留分減殺請求権 ①

さて、遺留分権利者に遺留分が認められているとはいっても、どのようにして保障されているのでしょうか。

 

実は遺留分とは、なにもせずに一定額がもらえるという制度ではありません。

被相続人による誰かへの遺贈や贈与によって、相続人が遺留分に満たない取り分しか得られない場合に、遺留分権利者は、自分の遺留分が侵害されているとして、その遺贈・贈与の目的物を返せ、と主張することができるのです。

このような主張を、遺留分減殺請求と呼びます(1031条)。

減殺とは、遺贈・贈与の効力を失わせるという意味です。

特別受益と違い、相続人に対する遺贈・贈与には限られず、だれに対するものであっても減殺の対象になりえます。

 

このように、自分の遺留分が侵害された時に初めて、遺留分減殺請求を行うことによって、遺贈・贈与の効力を失わせて、その結果遺留分として認められた取り分を確保することができるわけです。このようにして、遺留分は保障されているのです。

 

 

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2016.10.25

16 遺留分(2) 遺留分権利者

前回、遺留分が保障されているのは一定の範囲の相続人と言いましたように、全ての相続人が遺留分権利者となるわけではありません。

遺留分権利者となれるのは、兄弟姉妹以外の法定相続人、すなわち、配偶者や子ども、直系尊属です(1028条)。

 

もちろん、相続人の有する権利が遺留分であるため、相続人であることが前提となります。

つまり、以前お話しした法定相続分が発生する優先順位に従って相続人となった者だけが、遺留分が認められるのです。

そして、その中でも兄弟姉妹は相続人となった場合でも遺留分は認められないということになります。

 

代襲相続人にも遺留分は存在します。また、胎児であっても、相続権がある(886条)ので、子としての遺留分を持っています。

 

 

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2016.10.25

15 遺留分(1) 意義

これまで何度もお話ししたように、被相続人は自己の財産をどのように分配するかを自由に決めることができます。それが遺言という制度です。

しかし、専業主婦として、生活の一切を夫に頼っていた配偶者がおり、夫が亡くなった時、子どもに全ての財産を譲ることとして、配偶者には何も残さないというような遺言が残されていた場合、配偶者はそれ以降の生活をどうしたらよいのでしょうか。

 

そこで、民法は、残された相続人の生活の保障のために、遺言による被相続人の自由な決定を一部制限して、一定範囲の相続人に、一定額の財産を、相続財産から得ることができる権利を保障しています。

これが、遺留分と呼ばれる制度です。

 

遺留分によって、たとえ全ての財産を特定の誰かに与えるという遺言が残されていたとしても、他の相続人は、定められた金額分はもらえることを保障されているのです。

 

 

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2016.10.25

14 寄与分 ⑦

寄与分のお話しの最後として、特別受益と寄与分がそれぞれある場合の具体例を使って、処理の仕方をおさらいしようと思います。

 

被相続人の相続財産は6000万円あり、配偶者はすでに亡くなっており、相続人は3人の子どもAとBとCであるとします。

Aは開業資金として被相続人から2000万円の贈与を、Bは結婚費用として被相続人から1000万円の贈与を受けており、被相続人の療養看護に尽くしたCには1500万円の寄与分が認められたこととします。

 

この場合の具体的相続分を計算すると、

まず、みなし相続財産は、相続財産+特別受益-寄与分なので、6000+2000+1000-1500=7500となり、7500万円がみなし相続財産となります。

A・B・Cはそれぞれ法定相続分は同じ3分の1ずつとなるので、一応の相続分額は、2500万円ずつとなります。

これに、各自の特別受益の額を引いて、寄与分の額を加えるので、

A:2500-2000=500で500万円

B:2500-1000=1000で1000万円

C:2500+1500=4000で4000万円

が具体的相続分となり、これに従って相続財産が分割されることになります。

 

 

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2016.10.25

13 寄与分 ⑥

寄与分を有する相続人がいる場合、その具体的相続分は次のように算定されます。

 

①まず、被相続人の相続財産の金額から、すべての者の寄与分の額を引いて、具体的相続分を算定する基礎となる財産の額を決めます(これをみなし相続財産と呼びます)。

②次に、みなし相続財産を、それぞれの相続人の法定相続分または指定相続分に従って分けて、一応の相続分額を算定します。

③最後に、この一応の相続分額に、それぞれの寄与分の額を加えたものが、その者の具体的相続分となります。

 

特別受益の処理の場合と、ちょうど反対の処理を行うことになります。

このようにして、相続人の間の実質的な公平を実現するわけです。

 

 

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2016.10.20

12 寄与分 ⑤

さて、では、今回から寄与分がある場合、どのような処理を行って具体的相続分を算定するかについてお話していきます。

 

まず、寄与分は共に相続する相続人の間の協議で定めます。

協議が調わない時や協議することができない時は、寄与をした者が申し立てて、家庭裁判所の調停や審判で定められます(904条の2、第2項)。

 

寄与分の算定にあたっては、寄与の時期や、寄与の方法および程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、これを決めます。

単に金銭を出費したというのであれば、その金額を算定するのは簡単ですが、ほとんどの寄与は、家業の手伝いなどの労働や療養看護といった、数字に表れない貢献であることが多いです。

そのため、これといった決め方を定めるのではなく、寄与や相続に関するすべての事情を考慮して、なるべく公平となるように決めることとしたのです。

 

なお、当然といえば当然ですが、寄与分の額は、相続財産の全額から遺贈の額を引いたものを超えることはできません。

今ある相続財産以上の額を与えることはできないからです。

 

 

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2016.10.20

★ 介護に関する寄与分

前回、寄与分として認められるためには、「特別の」寄与が必要であるとお話し致しました。ここで問題となることが多いのは、相続人のうちの一人が被相続人の生前、ずっと介護をしていたというパターンです。

3人兄弟の家庭で、寝たきりのお母さんと長男家族が同居し、ずっと面倒を見て来たという事案において、長男は通常、寄与分を主張します。自分はずっと面倒を見続けて来て、他の兄弟は面倒を見ていないのですから、それなりの労力がかかっており、当然の主張でしょう。

しかし、ここで長男の介護が「特別の」介護と言えるかどうかが問題になります。

もちろん、同居しながら、ヘルパーさんも使わずに全ての面倒を見て来たのであれば、寄与分が認められる傾向にあるでしょうが、日々デイサービスに行き、具体的に面倒を見ていたこととしては、食事の用意程度という状況では、寄与分が認められることは厳しいと思われます。

このように、介護に関しては、本人の感じた大変さと、裁判所が寄与分と認めてくれるものに乖離が見られますので、寄与分と評価してもらうことは容易ではありません。

寄与分を主張されたい相続人の方は、絶対に弁護士を依頼して、法律論を固める必要があるでしょう。

 

 

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