Komoda Law Office News

2019.07.26

マンション管理における税務|弁護士コラム

マンションの管理組合について特別に定めるような税制はありません。よって、実際の運用では、一般的な税制をマンションの管理組合に当てはめて解釈し、適用することになります。

なお、管理組合の形態としては、主に①人格のない社団等である管理組合②管理組合法人に分けられます。以下に、管理組合に課税される税について説明します。

(1)法人税
①人格のない社団等の場合
法人税法上、「人格のない社団等は、法人とみなして、この法律の規定を適用する」と定められています。そして、公益法人等と同様に、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得についてのみ、法人税が課されます。

②管理組合法人の場合
管理組合法人については、区分所有法によって、「人格のない社団等」に該当する管理組合より不利になることを避けるため、法人税法及びその他法人税に関する法令の規定の適用については公益法人等とみなすとされています。そのため、収益事業から生じた所得に対してのみ法人税が課されるのです。

(2)住民税
「人格のない社団等」である管理組合と管理組合法人については、収益事業を行っているかどうかに関わりなく、まずは均等割の税が課され、加えて、収益事業を行っている場合には、収益事業に係る法人税割の税が課されます。

(3)事業税・事業所税
収益事業を行う場合について課税されます。

(4)消費税
消費税は、国内において事業者が行った資産の譲渡等に対して課されます。
そして、マンション管理組合は、その居住者である区分所有者を構成員とする組合であり、その組合員との間で行う取引は営業に該当しないため、消費税はかかりません。
しかし、例えば組合員以外の者に対する駐車場の貸付けに係るものは消費税の課税対象となります。


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2019.07.25

管理組合の会計の基準|弁護士コラム

管理組合の会計については、法律上統一的な会計基準として定められたものが存在しません。よって、その会計の基準をどこに置くべきかが問題となります。

会計の基準としてまず思い浮かぶのは企業の会計ですが、管理組合は、営利を目的とする団体ではないため、企業会計の基準をそのまま適用することは不適切です。
一方で、管理組合においても、財務報告の「利害関係者の意思決定に有用な情報を提供する」という目的は企業と変わりません。

よって、管理組合会計は、企業会計と共通する一般原則に加えて、管理組合会計に特有の原則によってなされるべきであると考えられています。

A 企業会計と共通する一般原則

企業会計と共通する一般原則としては、企業会計原則の「第一 一般原則」の7つの原則のうち、以下の5つの原則を管理組合の会計に準用すべきであると考えられています。
①真実性の原則
②正規の簿記の原則
③明瞭性の原則
④継続性の原則
⑤保守主義の原則

B 管理組合会計に特有の原則

公益財団法人マンション管理センターでは、管理組合の特性から導出される特有の会計原則として、以下の2つの原則を挙げており、標準管理規約の中に同趣旨の定めが含まれています。
①区分経理の原則
②予算準拠の原則


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2019.07.24

適正化法が定める管理組合財産の分別管理 |弁護士コラム

殆どの場合、管理組合の業務は、マンションの管理業者に外部委託されています。そして、マンション管理業者を規制する法律としては、平成12年に適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)が公布されています。

この法律では、「マンション管理業者は管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国交省令で定める財産については、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない」と規定されています。

これを受け、適正化法規則87条2項1号では、マンションの管理業者に対し、以下に挙げるような方法によって、当該管理組合のお金を、自己の固有財産及び管理組合の財産と分別して管理することを求めているのです。

(例)
①マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金・管理費用を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された修繕積立金・管理費用から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し替え、当該保管口座において預貯金として管理する方法

②マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金・管理費用を収納・保管口座に預入し、当該収納・保管口座において預貯金として管理する方法


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2019.07.23

マンション管理における会計 |弁護士コラム

マンションで複数の入居者が共同して生活するためには、エレベーターの保守点検、玄関や廊下の清掃、管理費用の出納といった日常的な行為から、マンションそのものの補修といった長期的な補修まで、さまざまな管理行為が必要となります。

そして、区分所有者は、その持分に応じて共用部分の管理費用を負担する義務がありますが、補修が発生する度に区分所有者達から必要な資金を集金していては非常に手間がかかり不便ですし、区分所有者としても、大規模修繕のお金を突然請求されても、通常は払えません。

よって、事前に区分所有者達から、マンションの管理費用に充当するためのお金を「共用部分の負担」として徴収することが、マンションの会計管理において必要となるのです。

そして、上記事情により、区分所有者達から徴収した金銭については管理組合が預りますが、その際、会計管理者には、管理組合の集会において、毎年1回一定の時期に、会計に関して報告をすることが求められるのです。


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2019.06.15

区分所有建物の管理-マンションの管理委託契約-

マンション標準管理規約においては、管理組合の業務として、管理組合が管理する敷地並びに共用部分等の清掃、ごみ処理やその他修繕、及び、建物そのものの長期修繕計画の作成・変更、敷地及び共用部分等の運営、更には修繕積立金の運用など、多くの業務が挙げられています。

また、理事会の業務として、事業報告・計画案、収支決算・予算案、規約の作成等といった、相応の知識が無ければ遂行が厳しい業務が列挙されていますが、これら全てを管理組合内で対応することは現実的ではありません。

そこで、マンション標準管理規約では、管理組合や理事会は、その業務の全部または一部をマンション管理業者等に委託、または請け負わせ執行させることができると定めており、多くのマンションでは管理組合の業務を管理業者に外部委託しています。
このように、管理組合の業務等を管理会社に委託する契約が「管理委託契約」なのです。

なお、管理組合と管理会社の間で発生するトラブルとしては、委託の範囲の理解についての齟齬が原因とみられるもの等が想定されます。両者の法律関係を整理するには、まずは管理委託契約の内容を確認することが必要となります。
そして、こういったトラブルを防止するために、国土交通省では、管理委託契約の適正な内容のモデルとして「標準管理委託契約書」を公表しています。
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000011.html※外部サイトへジャンプします

 

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2019.06.14

区分所有建物の管理-管理者と理事・監事について-

(1)管理者

マンションの規約上の定め、または区分所有者らの集会決議によって管理者が選任・解任されます。選任された管理者は、①共用部分、区分所有者の共有に属する建物の敷地及び共有部分以外の付属施設を保存し、②集会の決議を実行し、③その他規約で定められた権利を有し、義務を負い、④その職務に関し、区分所有者を代理するものと定められています。
なお管理者の権限のうち、①の共用部分若しくは区分所有者の共有に属する建物の敷地等を保存する行為は、集会の決議などを経ることなく行うことができます。

(2)理事・監事

区分所有法において、マンションの管理組合が法人化されている場合には、管理組合を代表する機関としての「理事」、及び、組合の業務の執行等を監査する機関としての「監事」が必須の機関であると定められています。読み替えれば、管理組合が法人化されていない場合には理事・監事の設置の必要はありません。しかしながら、実態としては、法人化されていないマンション管理組合であったとしても、規約によって理事・監事を設置しています。

なお、マンション標準管理規約では、理事は理事会を構成し、理事会の定めるところに従い、管理組合の業務を担当するとされています。理事会は、収支決算案等の総会提出議案を決議するなどの役割を担っています。そして、監事は、株式会社の監査役と同様に、業務の執行及び財産状況の監査を担当します。

 

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2019.06.13

区分所有建物の管理-管理規約-

区分所有者の団体、つまり管理組合は、建物又はその敷地、附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項について、「規約」を定めることができます。
「規約」の対象として、区分所有法では「建物」「その敷地若しくは附属施設」と定めており、区分所有者らの共有に属するもののみに限定されていません。さらに、「管理」だけでなく対象となるものの「使用」についても規約の対象事項としています。
 
したがって、「管理」に関する事項として、専有部分に属する電気の配線の点検を管理組合が行うことや、「使用」に関する事項として、専有部分の用途を住居のみに制限し、あるいは、ペット飼育を禁止することも規約上可能となります。
なお、規約の設定、変更または廃止の決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要となります。)について、一部の区分所有者の権利に「特別の影響」を及ぼすべき時は、その影響を受ける区分所有者らから承諾を得なければならないため注意が必要です。

また、規約では専有部分・共有部分又は建物の敷地等について、これらの形状、面積その他の事情を総合的に考慮した上で、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければなりません。
国土交通省では、規約のモデルとして「マンション標準管理規約」を作成・公表しており、実際に規約を作成する際の参考とされています。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html※外部サイトへジャンプします

 

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2019.05.30

管理組合の決議の効力、決議事項

管理組合の決議の効力は、決議当時の組合の構成員だけではなく、その特定承継人、そして建物又はその敷地・附属施設の使用方法につき、賃借人といった占有者等、多くの関係者に及びます。
なお、建物の区分所有等に関する法律(以下、「区分所有法」といいます。)が定めている決議事項には、「区分所有者及び議決権の各過半数」で決するべき普通決議事項と、決議用件が加重された特別決議事項があります。

また、区分所有法に規定の無い事項についても、区分所有法や公序良俗、その他の法律に反しない範囲であれば、規約によって集会の決議事項とすることも可能です(法30条1項 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。)。
 
一方で、管理組合の決議といえども、区分所有法の規定に反することは勿論許されません。
区分所有法では、集会の招集・議事の手続について34条以下に規定されています(例:区分所有法第37条 集会においては、第三十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。)。

また、決議の内容についても、区分所有法の規定に反してはならず、かつ、決議の内容が公序良俗に反するものであってはなりません。

 

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2019.05.29

管理組合の法的性格と権限

区分所有建物の管理組合には、①法人化されている場合、②法人化されていない場合の2つのケースがあります。法人化されているか否かにより、管理組合にどのような違いがあるのでしょうか。以下に見ていくことにします。 

① 法人化されている場合

管理組合法人は、その事務に関しては区分所有者らを代理するものであって、管理組合そのものが権利・義務の主体となり得ます。そして、管理組合法人の行った法律行為の効果は、最終的にはそれぞれの区分所有者らに帰属します。 

②法人化されていない場合

管理組合の法的性格は、その組織の実態に応じて判断されることとなります。そして、組合の内部で規約を定め、集会が行われている場合には、その多くが「権利能力なき社団」であると判断されます。 また、法人化されている場合と同様に、管理組合における管理者は、その職務に対してあくまでも「区分所有者を代理するもの」と定められています。

つまり、管理組合が法人化しているか否かに関わらず、区分所有建物の管理に関する法律関係は、その本来的な権利・義務の帰属主体が組合ではなく区分所有者にあるということです。

 

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2019.05.28

管理組合の成立と管理の対象

区分所有者は、それぞれの意思にかかわらず、建物等を管理するため、所有者全員で建物等の管理のための団体を構成します。この団体が、いわゆる「管理組合」です。

建物の区分所有等に関する法律(以下、「区分所有法」といいます。)では、区分所有者の共有に属する、①共用部分と②建物の敷地及び共用部分以外の付属施設の管理・変更に関する事項は、管理組合の集会の決議または管理規約によると定められており、これらが管理組合による管理の対象物となります。

また、区分所有法3条に管理組合の管理対象として列挙されているのは「建物」「その敷地」「付属施設」であり、先に挙げた①共用部分・②建物の敷地及び共用部分以外の付属施設に限定されているわけではありません。
 
なお、専有部分に属する物は、その箇所の区分所有者自身が管理することが原則です。もっとも、例えば電気の配線を思い浮かべると分かるように、その配線の一部が専有部分に属する設備であっても、大元の部分は共用部分に属しており、配線としては構造上一体となっているため、専有部分・共用部分に関わらず一体的に管理する方が効率的な管理対象もあります。そういった場合にも、規約によって管理組合がその管理を行うよう定める事が可能となっています。

 

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